Yuubariが最近ハマっている漫画5選(その11)
Yuubariは漫画を読む方法がここ10年でだいぶ変わってきました。
学生の頃は漫画を読むのは紙の本オンリーでしたが、いまは電子書籍(アプリ含む)と紙の本が大体半々くらいです。
持ち運びもお手軽な電子書籍も良いですが、紙の手触りや感触が好きなのでお気に入りの作品はできるだけ紙の本で読みたいです。
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『血の轍』
優しくて美人な母は実は心に大きな闇を抱えていて、その母に共依存のような形で育てられた少年の悪夢のような現実と葛藤を描いた作品です。
一言で「毒親」と切り捨てることができないような複雑に歪んだ母性と共依存、そして放棄という過程をとある事件をもとに圧巻の迫力で綴られていきます。
現在12巻まで読みましたが本当の意味で衝撃作でした。
読んでいる読者まで病みそうな毒の強い作品ですが、非常に丹念にかつ生生しくときには観念的に描かれていて、もはやYuubariはこの作品に文学や絵画の持つ芸術性すら感じました。
特に主人公の視点からみた世界の描写が圧巻で、たとえば主人公が自分を支えてくれる存在を失って心が壊れたときの風景はゴッホの風景画のような歪曲した空だったり、夢か現実かはっきりわからないような意識の中で現れる幻の母は禍々しくも神秘的な虚像の描写でしたり、単純に絵として表現力が突出していて圧倒的な描写力に引き込まざるを得ませんでした。
漫画家の浦沢直樹さんがMCを務める「漫勉」というTV番組で作者の押見修造さんがゲストととしてフォーカスされて作画風景が紹介されていましたが、スクリーントーンを一切使わず妥協が一切ない独特の作画作業がクローズアップされており、描画に関しては相当計算されていることがよくわかりました。
作中でメタファーも多用され、夢の中で精神的に行き詰った主人公の口に蛾が入り込む描写などは気持ち悪さよりもの悲しさを感じます。
主人公の心の変化が描画のタッチや表現に大きく反映されるという手法はとても興味深いですね。
作画についてばかり述べていますが、ストーリーもとても練られていて先が読めない展開に驚かされました。
過保護気味にあった親から少年への関係が少年に恋人ができることによってこれまでの相克が崩れて対決構造になったり、ある犯罪行為により心理的に追い詰められていく様子などはサスペンス要素も見逃せません。
だいぶ前に読んだ萩尾望都さんの『残酷な神が支配する』という作品を思い出しましたが(この作品も親子の歪んだ関係を描いた物凄い圧の強いイチオシ作品です)、親によって心が踏みにじられた子供の描写は本当に読んでいて心が苦しくなります。
人間の内面の苦しみと犯罪事件と結びつけるサスペンス的な展開ははるか昔学生時代に読んだドストエフスキーの『罪と罰』も思い出しました。
主人公の心の苦しみと悪夢のようなストーリー展開に翻弄されて、Yuubariは漫画を読んでいてひさしぶりに手汗が止まりませんでした。
「読んでいて楽しい作品」ではないので誰にでもおススメできるかどうかというと難しいところですが、ひとつの表現方法として漫画がここまで観念的な高みに昇華されたことにいち読者としてとても衝撃と感銘を受けた作品でした。
『スキップとローファー』
中学校の同級生が数名しかいない地方から、高校進学を機に東京に上京してきた主人公女子(みつみちゃん)の高校生活を描いた作品。
地方から都心に出てきて都会の華やかさに心躍りながらもギャップを感じたり成長していくという話は実際にもよくありますし漫画や小説・映画でもよく登場します。
アニメ映画『君の名は』でもそういう要素が序盤にありました(「上京」ではなく「入れ替わり」でしたが)。
この作品『スキップとローファー』も地方と都市の学生生活のギャップに戸惑いながらも主人公の女子が芯をしっかりもって前に進んでいきます。
好感を持てるのは地に着いた現実味のある高校生活を描いていること。
高校生活が過剰にキラキラしすぎていないし、かといって人間関係がドロドロしすぎているわけではない等身大の高校生活が描かれています。
いきなり恋愛模様を見させられるわけでもなく、ひとりひとりがコンプレックスや悩みを持ちながらもゆっくり前に進む姿に共感を感じました。
主人公のみつみちゃんは決して美人ではないし要領が良いわけでもないのですが、とても素直でポジティブ。
そんな主人公に周りのともだちも次第に良い方向に影響されていく情景が本当に愛おしい。
『ひらやすみ』
都内(阿佐ヶ谷)の年季の入った小さな平屋の家を知り合いのおばあさんから貰い受けたフリーターのアラサー主人公がいとこの美大生とのんびり過ごす日常を描いた作品です。この作品はとても癒し力が強い作品です。
疲れているときに読んでほっとしました。
人物描写が丁寧でどの主要なキャラクターはみんな好感を感じました。
定職に就かずのんびりフリーター生活を満喫しているアラサーの主人公(ヒロトくん)だったり、不動産の会社社員として忙しく毎日働いて一人の生活を満喫しているようどこか張りつめている糸を緩めたいアラサー女子(よもぎさん)、都会の大学生活に馴染めなくてうらぶれているけど漫画家になる夢がある美大生(なつみさん)など人物描写がとても優れていてキャラに厚みがあります。
人はみな裏と表の顔がありますが、それを作中の出来事を絡めながら肩肘張らずにとても効果的に表現していて読んでいて気持ちが良いです。
ストーリー上で気になるのはのんびりマイペース主人公と心の余裕がない不動産屋さんのよもぎさんとの関係。忙しく働いている不動産屋さんの女子からみると、どうみても主人公はモラトリアム人間。
対象的な生活様式なので反発(よもぎさんが一方的に怒りをぶつけている)するのですが、よもぎさんの反発の中に「わたしもこんなまったりした生活したいな」というかすかな憧れのような気持ちが透けてみえるのが面白いです。
いつの頃からか「癒し」が生活の中で求められるようになりましたが、ちょっと小休止したいときに読みたい作品です。
『かげきしょうじょ!!』
はじめにお伝えすると「過激」ではなく「歌劇」のお話です。
Yuubariはまだ既読が4巻までなのですが(現在刊行されているのは既刊12巻)、途中まで読んでいて印象に残った作品なので取り上げてみました。
架空の音楽学校(専門学校)を舞台にした歌劇に取り組む生徒たちを描いた作品ですが、読めばわかるかと思いますが宝塚音楽学校がモデルになっています。
宝塚歌劇団に入団するためには宝塚音楽学校を卒業しないといけない(ですよね?)のですが、この専門学校で生徒たちはミュージカルや声楽・演技などを学びタカラジェンヌとなっていきます。
そのタカラジェンヌの卵たちの生活にフォーカスした作品ですが、一般的な学校とは全く異なる特殊な世界の話なのでとても興味深く読んでいます。
毎年ニュースでも合格発表の様子が報道されていますが宝塚音楽学校に入学することは本当に難しい。
劇団の演劇の学校でトレーニングを積んで初めて受験することができますが、とても狭き門となっています。
Yuubariの遠い親戚で数年前宝塚音楽学校に3回目の受験で合格した人がいましたが、入学前に彼女が出演したミュージカルを観たことがあります。
舞台の上で輝いていた彼女の演技力やカリスマ性をもっても一度では合格に至らなかったので本当に厳しい世界なのだなと感じました。
話を『かげきしょうじょ!!』に戻しますと、その宝塚音楽学校の生徒たちはひとりひとりが独特のバックグラウンドを持っています。
登場するメインの生徒はもともと劇団で活躍していた人や元アイドル・伝統芸能の経験者などなど。
こうした個性ある生徒たちが未来のタカラジェンヌとなるべく真剣にミュージカルに取り組み切磋琢磨する様子に宝塚ミュージカルにとても興味が沸きました。観に行かねば!
『ぼおるぺん古事記』
こうの史代さんの作品といえば、アニメ映画になった『この世界の片隅』や実写映画化している『夕凪の街 桜の国』が知名度がありますが、Yuubariは『長い道』『ぴっぴら帳』や『さんさん録』なども好きですね。市井に生きる人を瑞々しくも暖かく描く作風が好きで昔からYuubariはこうのさんの作品を愛読してきました。
『ぼおるぺん古事記』はこうの作品の中でも異色で、日本の神話である古事記をこうのさんがボールペンで書いた漫画です。
全編がボールペンで書いてあるからこそ出る素朴な味もあると感じました。
デジタル作画どころかスクリーントーンすら一切つかわずに手作業で細やかに古事記を描く執念を感じました。
最近改めてこの『ぼおるぺん古事記』を再読しました。理由は近々伊勢神宮に行く予定があるからです。
伊勢神宮は古事記の中でも非常に重要な役割を担う天照大御神を内宮で祀っていますし、神宮周辺には猿田彦神社や月夜見宮など古事記というか神道ゆかりの神社がたくさんあるので本書で古事記をおさらいしようと思いました。
『古事記』をテーマにした学習漫画はたくさん出ていますが多くが子ども向け。
『ぼおるぺん古事記』のように古事記を最初から登場する神々を省略せずに描いた漫画は珍しいと思います。
ただし、『ぼおるぺん古事記』の(一)・(二)・(三)の三冊で綴られるのは古事記の上巻である神代編まで。中巻・下巻で綴られる人代編はカバーしていないです。
ですので、有名なヤマトタケルのエピソードなどは『ぼおるぺん古事記』では登場しない。
古事記は人代編も面白いので、ぜひこうの先生に人代編も描いてほしいなと思います。
古事記では膨大な数の神々が登場しますが。こうのさん流のイメージを膨らませて描かれている神々がとても愛嬌があってクセになりました。
あの荒ぶるスサノオノミコトですらどこか憎めない描写です。古事記に登場する神々はもともとがとても感情豊かで人間味を感じますが、そのあたりをとても巧みにこうの流に絵として落とし込んでやさしく表現していると思います。
ちなみに古事記を現代語の口語で活字で読みたい方にはこちらの本がおすすめ。
とてもわかりやすくて古代史専門の歴史学者の方が書いているので注釈もしっかりしています。
Yuubariは以前にこちらの本を読んで古事記を知りました。
古事記を知ると神社に行ったときに祀られている神様の名前や来歴がわかるようになるので一層神社めぐりが楽しくなります。
日本人なら古事記を知っておいて損はないと思います。
システム監査技術者試験 その2 過去問演習(午後1)のメモ帳
ネットワークスペシャリスト試験(NW)のときにも演習で解いた過去問をQ&Aで自分なりにまとめましたが、システム監査技術者試験(AU)でも同じことをしたいと思います。
勉強したことをWebに残しておくと出先でもどこでも読めるので便利なので(自分にとって)、メモ帳代わりに過去問を解いて答え合わせをしたらどんどん追加したいと思います。
今のところ令和3年、令和2年、平成31年の3年分の午前1のQ&Aしか過去問を解く予定しかありません。
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(令和3年過去問より)
午後I
問1
(覚えておきたい出題パターン)
・「監査要点」としてはAI(新システム)の導入目的や利用範囲について、経営層が判断、承認しているかを確認したい。この点について「監査手続き」としては行うことは?
(ヒント)
・本文中で「議事録」という言葉は出ていないが「経営会議」「審議」「経営層が承認する」は記載あり。
(解答)
経営会議などの議事録を閲覧し、経営層によって十分に審議され、承認されているかを確かめる。
・「監査要点」としてはPoC(新システムの概念)の計画と実施は適切に行われているか。この点について「監査手続き」として行うことについて【計画】と【実施】について行うことは何か?
【計画】
(ヒント)
・本文中で「PoC計画書」「評価基準」「終了基準」の記述あり
(解答)
PoC計画書を閲覧し、目的、結果の評価基準、終了基準の記述があることを確かめる。
【実施】
(ヒント)
・本文中で「PoC評価書」の記述あり
(解答)
PoC評価書を閲覧し、結果の評価や終了の判断についての記述を確かめる。
・システム本番移行工程について問題がある。本番運用において期待効果が得られない可能性がある。その問題とは何か。
(ヒント)
・本文の記述に「本番移⾏⼯程では時間が限られ,直前のテストエ程では結果が評価されることから,学習データと教師データの量を6か⽉分に増やして学習だけを⾏い,本番運⽤を開始する。」と書かれており、本番移⾏⼯程では学習だけを⾏い、結果の評価を⾏っていない。
(解答)
学習後に結果を評価しないで本番移⾏してしまうという問題
・オペレータ教育について、教育内容や実施計画が不十分と監査が指摘。その理由は?
(ヒント)
・本文には「結果の正しさや利⽤可否をオペレータ本⼈が判断すべきであることを教育する必要がある。その際,オペレータ教育の内容や実施計画の妥当性を事前に考慮することが重要である。」と書かれている一方、「開発概要書には,オペレータ教育について,“現⾏のマニュアルの中で操作⽅法が変更になる箇所だけを更新し,業務の繁閑を考慮しながらオペレータを教育する”と記述されている。」と書かれている。
(解答)
AI の特性の教育や,結果の正しさや利⽤可否を判断する教育の予定がないから
問2
(覚えておきたい出題パターン)
・プロジェクト運営委員会のメンバと’’システム投資規定’’の決済権限者とが整合しているかどうか(企画段階での体制の妥当性)について、監査部が確認しようとしている内容は何か?
(ヒント)
・本文に「予算額に応じた決裁権限者などが定められている。」と書かれている。これとプロジェクト運営委員会の関係を問われている。本文導出型問題。
(解答)
予算規模に応じた IT 投資の責任者がプロジェクト運営委員会のメンバとして参画しているか
・検討しているシステム再構築の再構築方法は3パターン(リホスト、リライト、リビルド)の中から検討中。コストに関する要件で選定を行いがちだが、リスク(=ビジネス目標に合致しないシステムになる)に対するコントロールが適切に検討されているかについて監査部が確認しようとしている具体的な内容は?
(解答)
再構築⽅式を⽐較検討した際の評価項⽬に,ビジネス⽬標の視点があること
・システム再構築時の設定工程で顕在化する可能性のあるリスクを答えよ。
(ヒント)
・現行システムの業務機能の全体を把握している従業員がいない
(解答)
現⾏システムの要件を熟知している者がいないので,仕様を適切に確定出来ない。
・システム再構築時のテスト工程のリスク(=テストが計画どおりに進捗せず、品質低下やスケジュール遅延を引き起こす)を引き起こす要因として考えられることは?
(ヒント)
・現行のシステムの業務機能の全体を把握している従業員がいない。保守用のドキュメントが不足している。それに対するコントールは「残すべき現行機能を明確にして合意を得る」
(解答)
業務要件が明確でないので,要件を充⾜しているかどうかのテストが出来ないこと
・新しいシステム基盤であるクラウドサービスに対して監査部が確認しようとしていることは?
(ヒント)
・本文にヒントはなし。完全に知識問題。
(解答)
セキュリティ,障害設計などの⾮機能要件の実現性が検討されていること
問3
(覚えておきたい出題パターン)
・結合テストの品質評価結果で、「不良密度が基準範囲を下回っているが品質は問題ない」と報告されていた。しかし問題ないという理由がテスト項目数が十分であることとされているが、監査は不十分と判断した。その理由は?
(ヒント)
・本文の参照個所のやや後ろに「テスト密度は基準範囲内にあること、テスト項目はエラーケースも含めて質的に十分であること」と記載されている。
ここから抜き出す。当該システムの記述よりやや後ろに抜き出す場所があるから見つけにくいけど、「量が足りてて不足しているとしたらほかに何が不足してる?」と考えて答えを導きだしたい。
(解答)
テスト項⽬の質が⼗分であることが評価されていないから
・生産管理システムで発生した課題について、システムテストに向けて適切に対応が行われているかどうか確認したい。そのための監査手続きを監査証拠も含めて述べよ。
(ヒント)
・監査証拠として、システムテストに入る前の資料としては本文に書かれている「課題管理表」が該当する。それプラス、ヒアリングで出てきた生産管理システムの結合テスト時の問題である「マスタデータ作成のミス」に対しての「対応内容」「対応期限」の記述を絡める。いろいろな個所の複合の抜き出し問題なので100%回答するのは難しいと思う。
(解答)
課題管理表を閲覧し,マスタデータの作成ミスの再発防⽌策の内容と対応期限を確かめる。
・生産管理システムの品質評価結果に記載されている類似不良の品質向上策に関して、財務会計システムは他業務ともインターフェースがあることからプロジェクトとしての対応が適切かどうかを確認するが、このとき何を確認する?
(ヒント)
・「プロジェクトとしての」の意味を読み取れるかどうか。ここでは「生産管理だけでなく他システムの開発でも」という意図だということを汲み取りたい。
(解答)
類似不良点検について,開発チーム問で情報共有されているか
・購買管理システムと生産管理システムとのインターフェース機能の残課題について、その後工程のテスト(システムテスト)でのリスクを低減するための改善提案の内容を答えよ。
(ヒント)
・本文を読むと購買管理システムのプログラムの修正があり、その修正後のテストが、後工程のシステムテストに持ち越されそうなのはわかった(「プログラム修正とチーム内のテストは完了済。生産管理システムと接続させての確認はシステムテストで実施予定」という記述)。
ここについて本文を読んでいて違和感を感じた。それを解答として表現したい
(解答)
システムテスト開始前に購買管理システムと⽣産管理システムとの疎通確認テストを実施すること
・「準委任」に該当するシステムテストフェーズで問題になりそうなプロジェクトの体制について確認すべきことは?
(ヒント)
・易しい問題。システムフェーズが準委任であること・C社システム部がシステム開発のノウハウが不足していることは本文から判断できる。リスクになりそうな要素は読みながら本文に目印をつけておきたい。
(解答)
C社システム部及び利⽤部⾨が主体的にシステムテストを実施する体制を確保できるか
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(令和2年過去問より)
午後I
問1
(覚えておきたい出題パターン)
・品質管理部や保守サービス部門でDX推進の制約となっている状況に対応しないといけない。この状況への対応として本調査で確認することは?
(ヒント)
・「制約」としては両部門とも現在のシステムでは分析用のデータ取得ができない状況
・既存のシステムを再構築するための''システム再構築計画''が進んでいる
(解答)
分析に必要なデータが取得できるように''システム再構築計画''を見直していること
・製品部門では新技術を利用してPoCを実施する(仮設をもとに施行して、PoCを実績とする)。しかし、新技術の利用そのものが目的となると業務、ひいては経営にとって役に立つ結果が得られないリスクがある。そのリスクが低減できているかどうかを監査するための具体的な監査手続きを述べよ。
(ヒント)
・PoCの前提としては活動テーマに即した仮説が設定されているかどうかが条件。
・PoCの実績は「PoC報告書」である。
(解答)
PoC報告書を閲覧して、活動テーマに即した仮説が設定されているかどうか確認する。
・DX推進のための人材を確保するための施策の実施状況を確認したい。人事部門を対象にした監査を行うための具体的な監査手続きを述べよ。
(ヒント)
・人事部は社内の人材として求める人材像を明確にする方針のもとに「人材類型定義書」を作成している。
(解答)
人材類型定義書を閲覧して、DXに必要な人材が明確になっていることを確認する。
・DX推進のためにはデータ活用が必要。データの収集・蓄積・活用のための責任と権限を定めたルールの整備が必要。そう考える理由は?
(ヒント)
・他部門のデータを活用したいニーズが大きい一方、他部門へのデータ提供可否の判断やデータ内容の正確性や網羅性について責任や権限が不明確な状況
(解答)
・他部門のデータを活用するための責任や権限を明確にする必要があるから。
・DX推進プロジェクト(DX-PJ)の進捗状況を把握しないと、活動目標がどの程度達成できているかあいまいになるリスクがある。そのリスクに対応できるかどうかの監査を行うための具体的な監査手続きを述べよ
(ヒント)
・DX-PJは各部門の代表者により毎月定例会が開催され、その際に進捗状況を確認している
・プロジェクトの進捗の指標としては、この会社では「進捗管理指標」が設定されている
(解答)
DX-PJ定例会の議事録を閲覧して、進捗管理指標が明確かどうかを確認する。
問2
(覚えておきたい出題パターン)
・R社では監査対象のシステムの選定には、各システムの「機密性」「完全性」「可用性」についてのリスクの評価をもとに行う。しかし、新社長としてはこの基準だけでは本来監査の対象とするシステムを外してしまう懸念がある。監査対象の選定方法はどのように見直せばいいのか?
(ヒント)
・一般論で解答の「あたり」をつける。本文中で明確なヒントは薄い
・新社長は方針としてITに関して新技術を経営戦略として導入したい意向
(解答)
戦略的重要度の観点も追加して対象システムを選定する。
・開発プロジェクトの監査において、今までは開発工程の終了時の状態を監査していたが、それでは適時把握が難しい。新社長の肝いりでプロジェクトの進捗会議に監査人が出席することを検討した。その利点は?
(ヒント)一般論より考えるべき、ということが解いていてわからないといけない
解答
(i)
プロジェクトの状態を適時に把握し、早期に改善を提案することができる
上記とは逆に問題点もあると考えた。想定される問題点は?
(ヒント)一般論より考えるべき、ということが解いていてわからないといけない
(ii)
監査人が出席することで、進捗に遅延があっても根本原因を隠すことがある。
・監査部門の人員の教育計画について、新社長としてはR社の経営戦略と整合させて具体的に作成を指示している。監査部長が作成すべきR社の教育計画の具体的な内容とは?
(ヒント)
・新社長はAIなどの技術を積極的に取り入れて、顧客向けサービス拡大を図ることを経営戦略としている。
・一方、現行のR社の監査部の人員教育は監査やPM、法令の教育。
(解答)
R社の経営戦略上重要なAIなどの技術について評価できる人材の育成
・R社では監査のためのツールとして「電子監査調書ソフト」を使用している。このソフトは過去の監査調書やドキュメントを保存し、参照や検索の機能を提供する。現状は活用が進んでおらず新社長は計画を具体化して活用の進捗を命じた。活用することによりどんな効果が期待できるか?
(ヒント)
・「電子監査調書ソフト」は監査の実施状況やノウハウを蓄積することを提供する。
・R社としては監査業務をこのようなソフトを用いて作業の効率向上を行いたい
(解答)
監査の実施状況やノウハウを共有でき、監査業務を効率化できる
・とあるシステムのR社の現行の監査手続きとして、不正アクセスの有無を確認するためにアクセスログをサンプリング調査して確認している。これをデータ分析ソフトを活用して制度の高い監査を実施したい。データ分析ソフトを活用した具体的な監査手続きを述べよ。
(ヒント)
・サンプルとしてランダムに抽出してデータ分析することの逆は「網羅的に」分析する。
・それを可能にするツールがデータ分析ソフト
(解答)
アクセスログの全件を集計・分析して不正な端末利用がないかを確認する
問3
(覚えておきたい出題パターン)
・A社のシステム開発の課題として社長は’’投資をして開発したにもかかわらず、十分に使用されていないシステム(特に「自己評価対象案件」に区分されるシステム)がある’’と述べた。
A社の内部監査部はIT投資効果を評価する際のプロセスには問題点があり、リスクがあると考えた。
その問題点を、原因とともに述べよ。
(ヒント)
・開発年度計画案は「経営会議」で審議される。
・「自己評価対象案件」に区分されるシステムの投資効果検証結果の最終報告先は現在オーナ部長となっている。
・問題文の最終盤に最終報告先がが変更されている記述がある。(オーナ部長から情報システム委員会へ)。ヒントが後半にあるので少し難しい問題。
(解答)
自己評価対象案件の投資効果検証結果がオーナ部門にとどまっているので、経営会議で伝わらない。
・当初の計画通りにアクティブユーザに活用されるシステムを開発されるために、システム開発案件の絞り込みの際に、情報システム事務局がオーナ部に確認すべきことがある。それは何か?
(ヒント)
・廃れて使われなくなったシステムについて、オーナ部門は計画段階で「外部コンサルタントのアドバイスを参考にしてシステム計画を企画していた」(つまり、自分たちの積極的な意思が無かった。言われたまま開発決定に突き進んでいた)
・文中にヒントは少ない。所与から自分で答えを考えて導き出す問題。
(解答)
開発システムが利用者のニーズに合致しているかどうか確かめること
・廃れてしまったとあるシステムの稼働後の活用状況の確認とこれまでの活用実績についてのヒアリングの結果から反面教師として、今後稼働後の活用状況の確認を適切に実施するための対策として学んだことは?(監査部として確認すること)。
2つ述べよ。
(ヒント)
・本文の指定個所のそのまま答えが書いてある。正直あまりにズバリ書いてあるのでそのまま解答として転記することに躊躇するレベル。そういう意味は悩む問題かも。
(解答)
・活用状況のモニタリングの仕組みを構築する
・活用状況の検証予定時期を定めておく
・稼働したあるシステムについて、利用の継続か廃止かの判断を確実かつ速やかに実施するための対策は?(監査部が確認すること)
(ヒント)
・継続か廃止か、の判断をするための新たなルールが必要という記載が本文にある。
・「新たなルール」を「基準」と自分の言葉に置き換えられるかどうか試されている。
(解答)
利用継続か廃止かを判断するための基準値を稼働前に定めておく
・A社の情報システム部は''システム開発標準化''の改訂を検討している。その改訂が情報システム部だけでなく、オーナ部にとっても適切な内容であること確認するための監査手続きを述べよ。
(ヒント)
・文脈から推測する問題。情報システム部が独断で決めたことにしないようにするには情シスが行った改訂原案にオーナ部がどう関われば良いのかを考える。
(解答)
経営企画部(オーナ部)が改訂原案に賛同していることをヒアリングで確認する。
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(平成31年過去問より)
午後I
問1
(覚えておきたい出題パターン)
・P社はシステムのロボット化(RPA)の開発により業務効率向上の効果を目指す。開発を効率よく行うために複数の部署の類似作業を共通化した上で開発する。しかし、この共通化には、業務に関わるリスクがある。監査部が懸念したそのリスクをひとつ挙げて述べよ。
(ヒント)
・開発部は共通化しようとする類似作業の差異分析、共通化した場合の影響評価を検討している。
・ヒントから一般論で答えを導き出す。
(解答)
類似作業の差異を考慮しないで共通化することにより、業務に支障が生じる。
・RPA導入の恩恵で業務処理の時間が短くなる一方で、RPAの関連システムの稼働に関わるリスクがあると考えられる。監査部が懸念した関連システムの稼働に関わるリスクを述べよ。
(ヒント)
・関連システムの中には構築から長期間経過して機能不足や業務量増加によるレスポンス遅延が出ているものがある。ここからあとはもう一般論で記述する。
・RPA(ロボット処理)は関連システムとインターフェースで連携して実行される。
(解答)
処理速度が速くなるので関連システムの負荷が増大して、レスポンスが低下する。
・RPA(ロボット)が使用する関連システムのIDとパスワードは、関連システムを管理している部署の許可を得て使用し、その部署はロボットが使用するIDとパスワードをID一覧表に記載して管理している。監査部はその関連システムのIDとパスワードの管理方法について、説明資料を閲覧して問題ないことを確認した。監査部が確認した内容を述べよ。
(ヒント)
・問われているのはIDとパスワードの「管理方法」。ここでいう「管理方法」とは何か、について発想できないと正解できない。正直設問が何を訊きたいのかYuubariは検討がつきませんでした。
(解答)
ロボットの仕様するIDとパスワードをアクセス制限された環境で保管していること
・RPAの関連システムは改修されることがある。そのときRPAシステムに必要な対応が行われているかどうかを開発部の変更管理プロセスの手順書を監査部は閲覧して確認した。監査部が確認した内容を述べよ。
(ヒント)
・RPTと関連システムの関係性を考えればおのずと解答の方向性は見えてくる。しかし模範解答のように適切に文章をまとめることが難しい。
(解答)
関連システム改修時に、RPAシステムの管理部署に連絡し影響調査をする規定があること。
・RPAの利用拡大による費用対効果について開発部にヒアリングした。RPAシステムの管理画面を活用した取り組みを開発部は計画しているが、その取り組みの内容を答えよ。
(ヒント)
・本文によれば、管理画面からは実行環境のロボットの稼働状況を閲覧でき、ロボットの稼働回数・稼働時間などのデータをダウンロードして分析することが可能。
・本文中の該当箇所を見つければ簡単に解答できる。
(解答)
ロボットの稼働回数・稼働時間などのデータを分析し、費用対効果を検証する。
問2
(覚えておきたい出題パターン)
・A社のシステム開発において、''重要度''の項目が関連部門から出された要望をまとめた要望事項一覧に漏れなく設定されているかどうかを確認するという監査手続きだけでは不十分、と監査人S氏が考えた理由を答えよ。
(ヒント)
・これは難問。本文の''重要度''という言葉は「プロジェクトの優先順位」という概念とは別のものだという発想に至らなくては正解できない。
(解答)
重要度の設定の確認だけではプロジェクトとしての優先順位が検討されているかどうか確認できないから
・要件定義書の作成時に利用部門の代表者が参画しているかという監査要点について、監査部は監査手続きとしてプロジェクトの体制図を閲覧して確認した。
しかしそれだけでは不十分で要件定義作成時の議事録の閲覧、利用部門の代表者へのヒアリングを行う必要があると判断した。その理由は?
(ヒント)
「利用部門が参加した」と記載された書類の閲覧だけでは不十分だから利用部門にヒアリングを行った。そう考えると答えはおのずと出る。
(解答)
利用部門の代表者の要件定義書の作成への十分な関与を確認する必要があるから
・システム開発の一部の工程を委託先に委託した。委託先の開発の進捗状況を適時に、正確に把握したい。システム企画書を閲覧して確認するという監査手続きでは不十分。委託先から提出される進捗報告資料や成果物の一部とテスト結果をもとにA社が想定している進捗状況と比較したい。その理由は?
(ヒント)
業者から報告された進捗状況を現物をもって実際の進捗として確認する意味は?
(解答)
委託先が進捗状況を正確に報告しているかどうかをA社として確認する必要があるから。
・開発に着手した後の体制と役割は明確になっているが、「成果物を検収した後の体制」については確認できなかった。検収完了後から本番リリース準備開始までのA社内の体制について具体的に確認した内容は?
(ヒント)
本文から「成果物を検収した後」は「ユーザ受入テスト」があるという個所を見つけて抜き出す
(解答)
ユーザ受入テストの役割分担、体制について明確に定められていること
・開発着手後の要件の追加・変更に関して、開発責任元であるシステム部は開発委託先と手順の順守を求めると確約した。委託先だけではなく利用部門にもこの手順を周知していく予定である。
監査部は要件の追加・変更の要求がある程度増えても期間内に対応できるような対策をシステム部に求めていく。
監査がシステム部に求める具体的な内容は?
(ヒント)
条件を確認するのはすぐめぼしが付く。それを委託先と利用部門の両方に対応するように回答したい。
(解答)
開発着手後の追加・変更の要求に対応する際の採用条件を明確にし、利用部門と合意すること。
問3
(覚えておきたい出題パターン)
・B社の基幹システム(現行システム)をメインフレームからWebベースのシステムに再構築する案件がある。
現行システムの再構築を行うにあたり、再構築範囲を決定する分析工程において、情シスが計画の詳細に関して確認すべき具体的な内容を述べよ。
(ヒント)
・利用部門のヒアリングでそのまま「現在では使用されていない機能・画面・帳票も存在する」と記載があるのでそのまま書き写すだけ。
(解答)
未使用の機能・画面・帳票について、再構築対象範囲からの除外を検討していること
・再構築は可能な限りプログラム変換ツールを使用するが変換作業で問題が発生し、本番稼働が遅れるというリスクが存在する。そのため本調査として追加して確認したいことを具体的に述べよ。
(ヒント)
・「変換」のトライアルとして「実際に幾つかのプログラムを変換し、変換の可否及び精度を確認する」という本文の記述が目に付く。
・「一部のテストで問題あるならば網羅的に全部チェックしては?」と回答してしまったが、それは極端すぎた考えでした。
(解答)
プログラム変換ツールのトライアル対象範囲が狭過ぎたり、偏ったりしていないこと。
・変換ツールで変換できない現行システムのプログラムに関しては、手作業で変換作成するが、手作業で作成したプログラムを含む現新比較テストが計画通り進まず、本番稼働が遅れるというリスクが存在する。そう考えた理由は?
(ヒント)
・本文で、追加機能を現システムにもたせるときに設計書(仕様書)に変更内容を記載していないという記載がある。
・回答の方向性はすぐわかるが、問いは「計画通り進まない理由」を訊いている。つまり仕様書とプログラムの不一致を指摘しただけでは回答として不十分と思われる。
(解答)
設計書が最新ではないので、現新比較テストで不一致発生時に、原因分析に時間を要するから。
・新システムのユーザ受入テストの際に、システムの操作性で問題が表面化するリスク(利用部門が使いこなせない)が存在する。それを防ぐ適切なリスク軽減策は何か具体的に述べよ。
(ヒント)
・新しいシステムの操作にユーザが当惑するならばどうすればよい?ということを問う問題。
・過去のIPAテストの経験から「新旧を並行稼働すればいい」と回答してしまったが、その発想は飛躍しすぎでした。
・気づきにくいが本文に「利用部門はテスト工程から参画する」というヒントがあり、そこから正解を発想しないといけなかった。
(解答)
設計工程にも利用部門が参画、プロトタイプなどで早期に操作性を確認してもらう
・再構築が完了して本稼働したあと、第2段階としてシステム機能の再配置、業務処理の最適化など業務機能を見直す計画がある。
「現行システムの状況を考慮すると」第2段階の業務機能の見直しが円滑に進まないリスクが存在する。
これに向けて開発担当の情シスが対応計画を立てたが、監査人がこの対応計画に関して確認すべき事項を具体的に述べよ。
(ヒント)
・なかなか答えが思い浮かばなかったが、その理由は「現行システムの状況を考慮すると」が何を指しているかわからなかったこと。
・普通に考えると第2段階の目標を達成するために必要なことを書くべきということは方向性としてはつかめた。
・正直、模範解答をみてもピンとこないので自分にとっては難問だった。
(解答)
要件定義書や設計書を整理し、最新の要件や定義を反映する計画が存在するか
システム監査技術者試験 その1 受験することにしました
いろいろ思うところがありまして、10月(秋季)の情報処理試験の区分のひとつであるシステム監査技術者試験(AU)を受験することを決めました。
現在の秋季の情報処理試験でYuubariが受験する可能性のある試験(自分の仕事に関係がありそうな試験)はシステム監査技術者試験(AU)なのですが、もともと今現在は仕事で必要とされている技能ではないので受験する気持ちは薄かったのですが、以下の理由で受験を決意しました。
(1)午前1(AM1)免除の恩恵を大事にしたい
これがシステム監査技術者試験(AU)受験を決めた最も大きな理由かも。
これまで午前1免除期間中に合格を繰り返してきて免除期間を延長できていたのですが、Covid-19による試験延期とNW不合格により免除期間を失ってしまっていました。
先月のネットワークスペシャリスト試験(NW)で、Yuubariは高度試験の午前1をはじめて受験したのですが、これが想像以上に対策が面倒で厄介でした。
午前1の対策といっても応用情報技術者試験(AP)の午前過去問をとにかくやりこむだけなのですが、何しろ範囲がとても広くて時間も結構かかりましたので、できれば二度と高度試験の午前1は受験したくないです。
失ってはじめてわかる午前1免除のありがたみ(^^;
自己採点では前回のNWの受験で午前1試験の合格点に達しているのでマークシートミスをしていない限り今後2年間の午前1免除の資格を得ることができました。
今後のことを考えると、いずれはシステム監査技術者試験は合格しておきたいと思っていますので、ここはひとつ午前1の免除が残っているうちにシステム監査技術者試験に挑戦しておこうと思いました。
(2)何が役に立つか人生わからない
正直今の職場でYuubariがシステム監査の役割を担う可能性はほぼありません。
Uchino会社は腐っても世界に拠点を持つGlobalな会社で、企業規模もかなりのものなので(半面簡単に社員を解雇する冷徹な一面がありますが)、IT関連の内部監査の役割を持つ部署もありますが日本にはその部署はありません。
日本で監査があるときは、たまに海外から高いポジションのえらい監査の方が来て1週間くらい監査して帰っていくという感じです。
ですので、Yuubariがいまの職場でその役割を担う可能性はほぼゼロです。
しかもUchino会社のIT関連の内部監査はシステムの監査より、物理的なインフラの管理(サーバルームの管理やIT機器のアセット整備、ネットワーク周りなどのインフラ面)に対する監査が主です。
そうなるとますますYuubariがシステム監査技術者試験に挑戦する理由が薄くなります。
ですが人生何が役に立つかわかりません。
ある日突然システム監査の技能が要求されたり、転職する機会があって(転職せざるを得なくなり)職場が変わって求められる可能性もありますので、チャンスがあるならば取っておこうと考えました。
今の職場に転職したときも自分が取得した中でも別に重要だと思っていなかった資格を採用側に予想外に評価されましたので、なにごとも持っていないより持っていた方が何倍も良い、とそのときに実感しました。
(3)試験形式に慣れている
これまでSG, AP, SC, PM, SMと合格してきて、ある程度IPA情報処理技術者試験の試験形式や対策方法を曲がりなりにもわかってきました。
もちろんシステム監査技術者試験(AU)はこれまでYuubariが合格してきた試験の中でもさらにワンランク上の試験ということはわかっていますが、試験対策としてやるべきことはわかっている。
高度情報処理の試験は「AM1は免除ありでAM2も直前に1,2日過去問を詰め込むだけで対応可能、実際の勝負は午後1と午後2(論述)のみ」と考えていまして、Yuubariにとっては、対策方法をゼロから調べて対応していくわけではないので比較的受験しやすいです。
合格できるかどうかは別として試験に対応する方法がわかっているのはとても心理的負担が減ります。ここは完全に経験に助けられています。
はっきりいって今から全くの専門外の試験に暗中模索しながら挑戦する方が難しいです。
以上の理由から10月のシステム監査技術者試験に挑戦することに決めました。
現在5月初旬なので、まだたっぷり5か月残っていますから計画的に準備を進めていこうと思います。
日本の社会人は勉強しない?
最近よくネットの記事で目にすることなのですが、「日本人は社会に出た後はとにかく勉強しない」ということ。
総務省統計局の「平成 28年社会生活基本調査」によると、有業者が「学習・自己啓発・訓練」に充てる時間は1日当たり平均6分間。
ということでした。
衝撃的な数字ですよね。6分って・・・・
※社会人にとっての「勉強」「学習」の定義が難しいですが。資格試験や昇進試験に向けての勉強はもちろんそれに該当しますが、仕事にまつわる何かのスキルを得るための行為(専門書を読んだり、業界紙を読む、Webトレーニングを受ける、関心があるビジネスセミナーに参加する)も該当すると思います。
そういえば確かに周りを見渡すとYuubariも職場で何か資格試験や自己啓発に取り組んでいるという人はそれほど多くないです。
人に言わないだけでこっそり勉強している人はいるかもしれません。
Yuubariも訊かれないかぎりあまり資格試験に挑戦する(している)ということを職場で口外したことはありませんし。
一方で同じ職場で毎週末大学院に通ってMBAを取得した人や夜間の大学に通って学士を取得した人もいました。
ですので「1日平均6分」としてもYuubariの印象としては、「ものすごく勉強熱心で日常的に自己研鑽に励んでいる勢」と「まったく勉強していない勢」にはっきり分かれる気がします。
ただ割合としては「ものすごく勉強熱心で日常的に自己研鑽に励んでいる勢」が圧倒的に少ない気がしますが。
「気がします」という言葉の通り、何かに裏打ちされた意見ではなく単なるYuubariの印象にすぎませんが・・・
考えてみるとYuubariが学生のときは電車の中で参考書や資格の本、ビジネス書を開く大人が多かった気がしますが、最近はスマホでゲームやSNSをしたり漫画を読む大人が多いですね。
それはそれで忙しい日常生活の中で息抜きとして大事かもしれませんが(かくいうYuubariもスマホを手に入れたばかりのときはそういう時期が長くありました)、それにしても長い通勤時間をずっと目的もなく無為に過ごすのはちょっと勿体ない気もします。
今はみんな疲れているのか、それとも心に余裕がないのか・・・
一方、日本以外のほかの先進国の社会人は社会に出た後に大学に入りなおして学位取得を目指したりオンラインで学習したり目標に向けて学習を続けている人が多いと記事では目にしました。
実際Yuubariの努めている会社(外資系企業)の外国人の方は本当に勉強熱心な人が多いです。
これはなぜなんでしょうね・・・Yuubariが思いつきで考えるに
①日本は残業などで長時間労働が常態化しており、日常生活で勉強する時間を作り出せない(時間的、精神的余裕がない)
②日本ではこれまで終身雇用制度が長く続いており、自分のスキルを磨かなくても今の職場でやっていける
③日本ではスキルアップのメリットがそもそもあまり無い(社会的に評価されない)
④日本の受験勉強が厳しすぎて勉強という行為自体にネガティブな印象が生涯付きまとうので、「学習」というと重い腰を上げにくい
といったところでしょうか。
他人事のように言っていますが、Yuubariも先月のNW(情報処理技術者試験のネットワークスペシャリスト試験)が終わってから一分も勉強していません・・・・そろそろまずいなあ、と思い始めました。
Yuubariの場合は勉強(自己研鑽)する最も大きなモチベーションは「危機感」です。
自分の人生を振り返ると受験にしろ就活にしろ失敗続きだったので、恥ずかしながらかなり自己肯定感がとても低いです。
社会人としてスタートした後も「この先、一生仕事をして食べていけるのだろうか」と不安ばかりでしたので、資格や語学の勉強をすることで自分に付加価値を付けていく必要を常々感じながら生きてきました。
そういえば以前読んだ漫画(『白エリと青エリ』というお仕事がテーマの漫画)の中で、進路に迷う高校生の主人公が伝統工芸の職人である祖父に相談したところ祖父からは「どんな商売でもいいからさ、職人になりなよ」と言われるシーンがあるのですが、Yuubariは「そうそう、手に職をつけることが大事なんだよね」ととても共感しました。
仕事をしながら得る知識や技能が最もウェイトが大きいというのはその通りだと思いますが、それ以外でお自分で付加価値をどんどん付けていくのは技術職ならばとても有効かと思います。
子育てや仕事の忙しさを言い訳にすることは簡単ですが、この先のキャリアや自分の人生を考えると、慢心せずなんとか隙間時間を使ったり計画的に勉強時間を捻出してなんとか継続して勉強しながら結果を出していきたいです。
もう少し子どもが大きくなったら同じ机に向かうこともできるかもしれませんが、今はうまくやりくりしないといけない辛抱の時期だと思っています。
早めにつぎの目標を立てて日常の中に勉強する時間を組み込んでいきたいと思います。
Yuubariの読んでよかった本(その14)『黒牢城』
この『黒牢城』という作品で米澤穂信さんは第166回の直木賞を受賞されたのですが、米澤穂信さんのいちファンとして受賞の報せを知ったときは本当に嬉しかったことを覚えています。
その日ニュースを見ていたら突然米澤穂信さんの名前が読み上げられて、驚きと同時に「よねぽさんついに・・・直木賞!」といううれしい気持ちでいっぱいでした。
さて『黒牢城』ですが、Yuubariは単行本を購入してから読了するまでおよそ半年もかかってしまいました。
読了までに時間がかかった理由は、家に小さい子がいて手の届くところに本を置いておくと本をボロボロにされてしまうので、帯も含めて大事に保管したいこの本を読むときは子どもが寝た後にしか読めないからでした。
文庫本ならば通勤時に持ち歩いて通勤電車の中で読めば良いのですが、重量のあるこの単行本はそういうわけにもいかず自宅でしか読めない状況でした。
そこで夜な夜な子どもを寝かしつけた後に読み始めるわけですが、重厚な歴史小説なので難解な表現も多々あり10ページ読むとYuubariにも睡魔が訪れてそこで読書中断・・ということが多々ありました。
最近ようやく最後まで読み終わりましたが、本当に読み応えのある骨太な小説でした。米澤穂信さんが歴史小説を書くのはこれが始めてだと思いますが、米澤穂信さんの持ち味であるミステリー要素も抜群に冴えていましたし、戦国期の考証も充実した著述表現も非常に巧みで読んでいてとても惹きこまれます。
普段小説は基本的に文庫本しか買わないYuubariが1600円(税別)をはたいて買った、そのもとは十分に取りました( )笑。
読了後の満足度がとても高い一作でしたが、しかし誰にでも薦められるかというとちょっと躊躇してしまうかも。
この作品は戦国武将の荒木村重が主君の織田信長に謀反を起こし、村重が統治する有岡城で籠城しつつ織田配下の特使である黒田官兵衛を地下に幽閉し(ここまで史実)、籠城中に城内で起こる様々な事件を虜囚である黒田官兵衛の知恵を借りて解き明かしていくという大筋なのですが、日本の戦国時代の地政学的な知識や勢力図・行動様式・武家社会の在り方など当時の知識が無いと楽しむことが難しいかと思われます。
Yuubariも戦国時代についてはあまり明るくなく、荒木村重や黒田官兵衛は名前くらいしか知りませんでしたが、有岡城の籠城戦については『黒牢城』を読むまでは全く知りませんでした。
以前和田竜さんの『村上海賊の娘』を読んだことがあったので(『村上海賊の娘』も抜群に面白いですしオススメ)、石山本願寺や毛利勢と織田信長の対立構造は理解していましたが、『黒牢城』はかなり史実を下敷きに書かれている小説なのできちんと歴史的バックグラウンドを知らないと勿体ない。
そこで『黒牢城』を読みつつ下記の本も並行して読みました。
『読むだけですっきりわかる戦国史』
この一冊でほんとうに戦国期の歴史がすっきりわかりました!
『読むだけですっきりわかる戦国史』で荒木村重や黒田官兵衛について記述されているのはほんの数ページですが、織田信長を中心とする当時の情勢がすっきりわかりましたので『黒牢城』も一層読んでいて面白くなりました。
『黒牢城』の主人公である荒木村重という人については、後世では戦国武将として決して評価が高くありませんが、彼が逐電したいきさつについて『黒牢城』ではとても独特の解釈となっています。
また信長側の特使だった黒田官兵衛を荒木村重が殺さずに幽閉という選択をしたことや、そもそも荒木村重が織田信長に対してなぜ謀反を起こしたのか独自の解釈が織り込まれています。
史実とフィクションの組み合わせによって歴史上の出来事が作者によって新しい見方が出来るのは歴史小説ならではの醍醐味かと思います。
一定の知識が無いと『黒牢城』を本質的に楽しむことが難しいとYuubariは考えますのでそういう意味では敷居が高い小説なのですが、戦国期の情勢に明るい人にとっては最上級のエンタメ歴史小説として『黒牢城』をオススメしたいです。
メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年 @新国立美術館
以前読んだ「美術展の不都合な真実」という本に記載されている通り「●●●美術館展(海外の美術館から作品を借りてきて展示する)」という形式の美術イベントはどうしても「物見遊山」的展示になりがちで、主催者側の企画自体のメッセージ性(観客にどういう方向性で観てもらいたいかという意思)が薄いと感じます。
多くの場合、相手美術館が一部改装などで展示できない期間に日本サイドが高額な費用を寄付という形で相手美術館に支払って借りてきた作品を展示するからなのですが、当然展示できる作品は相手ミュージアムから借りられる作品に限定されるわけです。
今回もメトロポリタン美術館が一部改装するためにその期間展示できない作品群の中からセレクトして借りてきたようです。
借りられる作品が限られるわけですから主催者側がこの手のイベントに特定のメッセージを盛り込むことは難しいです。
そういうわけで、ここ数年Covid-19問題もあり「●●●美術館展」系の美術イベントはYuubariはスルーしてきたのですが、今回思うところあって「メトロポリタン美術館展」に行ってきました。
今回観にいった理由としては至極簡単な動機で、Yuubariが好きな画家の作品が多いため行かないといけないと思ったからでした(^^;
なにしろ、Yuubariが好きなフェルメール、カラヴァッジョ、ドガ、ゴヤ、マネ、シスレー、ターナーあたりの作品を一度に観ることができるからです。
今回観に行った中でYuubariが特に印象に残った作品を語ります。
ヨハネス・フェルメール『信仰の寓意』 1670-72年頃
今回メトロポリタン美術館からフェルメール作品が来ると聞いて、メトロポリタン美術館が所蔵する4枚のフェルメール作品の中からこの作品が来るとは正直言って思っていませんでした。
この作品は絵のコンディションがあまりよくないため、今まで一度も来日したことはありませんでした。書籍などでも「修復がうまくいかない限りトラベリングは難しい」と書かれていました。
今回が本邦初来日の公開になります。Yuubariも初めて本物を観ました。
この作品はフェルメール後期の作品で、フェルメール作品にしては情報過剰な描写になっておりカトリックを象徴するモチーフ(蛇、磔刑の絵、胸に手を当てるポーズなど)が満載な作品です。フェルメールといえばキャリア初期はキリスト教がテーマの絵が多かったのですが、中期以降はずっと宗教色の薄い絵が多かったのですが、なぜかこの絵だけは後期フェルメール作品の中でも宗教色が強い作品です。
フェルメール作品としては特徴的によく使用されるウルトラマリンの色合いに目が行きました。また同じくフェルメール作品で定番なアイテムですが、画面左のカーテンの描写も何か自然に視線が画面に引き込まれます。
日常を静かに描いたフェルメール作品が好きなYuubariとしては、この作品はそこまで好きな作品ではありませんでしたが、この絵に関しては何しろ実物をお目にかかること自体が貴重。
実際に観てみると想像より大きい絵で、間近で見るととても迫力を感じてしばらく見入ってしまいました。
カラヴァッジョ『音楽家たち』 1597年
カラヴァッジョ作品は日本でも何度か「カラヴァッジョ」展が開かれたのでお目にかかる機会は多かったのですが、いつ観てもカラヴァッジョの絵は本当に惚れ惚れするくらいテクニックが卓越しています。
特に以前『マグダラのマリアの法悦』の実物を見たときは圧倒されて涙が出そうになりました。
カラヴァッジョ作品は純粋に絵画としての描写力が圧倒的なので、実物を見ると見入ってしまうことが多いのですが、この作品に関してはカラヴァッジョの初期の作品ということでまだ超絶テクニックが完成される前の作品のように感じました。ちょっと人物が狭い画面の中で窮屈そうですね。
欲を言えばメトロポリタン美術館が所蔵しているもう一つのカラヴァッジョ作品『聖ペテロの否認』も見たかったです。
まったくの余談ですが、Yuubariは以前寝る前にカラヴァッジョの伝記を読み、カラヴァッジョに殺されそうになる夢にうなされたことがありました( )笑。カラヴァッジョはあれほど神々しい絵を描くのにとにかく乱暴者で手が付けられなかった人物でした。
エドガー・ドガ『踊り子たち、ピンクと緑』 1890年頃
悪くない・・いやとても素敵なドガの作品ですよ。ですが欲を言えばYuubariは全盛期のドガ作品が観たかった。
この作品を制作している時代のドガの視力は著しく低下していたので、どうしてもタッチがドガの全盛期に比べて劣る印象を感じてしまいました。
メトロポリタン美術館にはドガの作品が多数収蔵されており、わがまま言わせていただければ同館所蔵の『ダンス教室(踊りのレッスン)』や 『バーで練習する踊り子』あたりを観たかったです。
勝手言っているのは自覚していますが、このあたりを持ってきてくれて観れていたらYuubariは大満足だった。
マリー・ドニーズ・ヴィレール 『マリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ(1868年没)』 1801年
この絵はインパクトがあり、印象に残りました。この絵のことをはYuubariは知りませんでしたが面白い構図の絵ですね。逆光でモデルの女性も影になっていますし、むしろモデルの女性がこちらを見てキャンバスに絵を描いていますので見ているこちがらモデルになるメタ構図。割れた窓から外の世界が見えるのも意味ありげです。
キリが無いのでこのあたりでやめておきますが、印象に残った絵はほかにもたくさんありました。
さすがにメトロポリタン美術館というだけあって日本初公開の本当に貴重な作品を多々みることができたのでそれは間違いないですが、Yuubariのような泡沫美術ファンのわがままを言わせていただくと、近世以降の画家の代表作を観たかったというところです。特にドガ・フェルメール・カラヴァッジョはもう1・2点観たかったです。
個人的な趣向で語ってしまいますが、ドガもフェルメールもモネも1点しか今回来ていませんでしたがメトロポリタン美術館には一般的評価の高い絵はもっと所蔵されていますので。
そこに不満があるならば「ニューヨークのメトロポリタン美術館に自分で観に行けばいいのでは?」と言われてしまいそうですが。そうですね・・・本当にいつか行ってみたいです。
「西洋絵画の500年」というとらえどころないテーマの通り、「メトロポリタン美術館にある名画を持ってきました」感は強く、これといった主張が無い企画展というのは観に行く前からわかっていましたが、展示する作品をある方向性に向けて絞りテーマ性をはっきり打ち出してくれたら良かった気がします。
ちなみに知り合いでニューヨークのメトロポリタン美術館に行ったことがある人は今回の「メトロポリタン美術館展」ではなく、新国立美術館内のお隣のスペースで展示されていた「ダミアン・ハースト展」に行っていました。正直いってYuubariもそちらを見た方が良かったかも。
消化不良感と満足感が入り混じる企画展でしたが、展示作の中でお目当ての作品がある方は足を運んでもよいのではないでしょうか。
ネットワークスペシャリスト試験 その24 令和4年 春季試験終了
本日、令和 4年のNW(ネットワークスペシャリスト)試験を受けてきました。
Yuubariは過去に5回ほど高度区分の情報処理試験を受けてきましたが(SC、SC、PM、SM、NWの計5回)、今回2回目のNW受験が高度試験で初めて午前1からの受験となりました。
それは午前1の免除が切れたからなのですが(そのいきさつについてはまだちょっと納得いっていないですが)、午前1から午後2までフルで受験すると本当に長時間に感じました。
早朝から夕方までの長時間の受験でしたが、PMやSMのときと違いNWは論述問題が無いので疲労度はそれほどでもなかった気がします。
ただ今回の試験会場が大学だったのですが、大学が会場のときにありがちな空調問題(今回は試験会場となったのは大学内の大講堂)がありました。端的に言えば試験会場がとても寒かったです。
今回は試験会場が大学ということで、嫌な予感がしたのでできるだけ防寒をしっかりしていきましたが正解でした(レイヤー重ねた上で、マフラー用意)。
重ね着して行って現地が暑かったら脱げばよいですが、薄着で行って寒かったらどうしようもないですからね。
ちなみに今回は厚着していっても最後まで寒かったですし、本当に寒すぎてペンを持つ手がかじかんでしまって記述問題の字がかなりのたうってしまいました^^;
このあたりはなんとかしてほしいと大学が会場のときはいつも思います。
さて今日の試験を軽く振り返ってみました。
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(午前1)
午前1の出題数は30問。
うち60%正解すれば午前1は合格なので18問以上正解すれば突破となります。
免除が切れても午前1を一度突破すれば再度2年間は午前1試験が免除されるので、ここは何としても突破したい。
逆に午前1で落ちてしまうと(合格点を取れないと)、ここで足切りされて自動的にそのあとの午前2・午後1・午後2が採点されず「貴重な日曜日、この日は一日無為に過ごしてしまった」と信じがたいほどの落胆を経験することになりますので、わりとしっかり用意しました。
高度の午前1は応用情報処理(AP)の午前問題80問の中から抜粋される30問なのですが、これがYuubariが想像していたより対策が厄介でした。
何が厄介だったかというと・・・・
・YuubariがAP試験を受験したのは平成29年春まで遡るのでAPの午前問題をほとんど覚えていない上に29春以降のAPの午前問題は一度も解いたことがない(今回の範囲で解いたAPの過去問は初見の問題ばかり)。
・AP午前と同じく条件の出題80問だったら48問正解で突破なので「最大22問不正解」でも合格。しかし高度情報の午前1は30問なので、最大で12問しか不正解が許されないことになります。1問あたりの重みがすごい。
・出題は30問だけど、出題範囲はAPの午前と同じなので結局AP午前対策と同じ分量の過去問を周回して勉強しないといけない。
・午前問題に力を入れても午後問題の対策にはほぼならないので、あまり午前対策に時間をかけたくないのに、午前2も含めて午前対策に時間を割かないといけない。
ということでした。
いろいろなサイトで調べた感じですと、高度情報の午前1は直近3回分の過去問は再出題されないようですが、令和3年の2回を除いて念のため3つ前の試験(令和2年秋)も含めて計7回分のAP午前の過去問を今年4月に入って問題演習回しました。
3回目でも解けなかった問題(解答を覚えきれなかった)はエクセルにまとめたうえで、問題と解答をスクショと撮って試験会場に行く途中で見直しました。
Yuubariが今回対策した範囲はこんな感じ。
出ない | 出ない | 範囲? | 重要 | 重要 | 重要 | 重要 | 重要 | 重要 | |
令和3 秋 | 令和3 春 | 令和2 秋 | 令和元 秋 | 平成31 春 | 平成30 秋 | 平成30 春 | 平成29 秋 | 平成29 春 | |
1回目 | 4月1日 | 4月1日 | 4月2日 | 4月7日 | 4月8日 | 4月8日 | 4月9日 | ||
2回目 | 4月9日 | 4月10日 | 4月13日 | 4月13日 | 4月13日 | 4月13日 | 4月15日 | ||
3回目直前チェック | 4月16日 | 4月16日 | 4月16日 | 4月16日 | 4月16日 | 4月16日 | 4月16日 |
今回Yuubariが周回した過去問の回数は7回分なのでそれほど多くありませんが(時間があれば10回分くらいは周回したかも)、どの回ももれなくすべての問題に瞬間的に正解できるようにしましたので、本試験でも再出題問題は落ち着いて対処できました。
令和4年度の本試験の結果は 30問中21問の正解でした。
※18問正解がボーダーなのでちょっと危なかったかも。
これで今後2年間の午前1の免除を獲得できたのでちょっと安心しました。
最低限の目標はクリア。
さらっと書いてますが午前1の対策・・・・本当に疲れました!
できることならば高度試験の合格という午前1免除のサイクルを続けてもう高度試験の午前1は二度と受けたくないです^^;
(午前2)
4択問題が25問題出題されて、15問正解すれば突破です。
去年NWの午前2は突破しているので対策方法も範囲の過去問もかなり覚えていますし、ここは特に負担に感じませんでした。
直近1年の過去問は再出題されないので勉強せず。
今年4月に入ってから令和1年から遡って10回分を3回解きました。
1回あたり25問しかないので、10回分でもあまり負担に感じず。
午前1と同じく1問も漏らさず全部瞬間的に正解できる状態までもっていきました。
Yuubariが今回対策した範囲はこんな感じ。
範囲外 | 最重要 | 最重要 | 重要 | 重要 | 重要 | 重要 | 重要 | 重要 | 重要 | 重要 | |
令和3年 | 令和1年 | 平成30年 | 平成29年 | 平成28年 | 平成27年 | 平成26年 | 平成25年 | 平成24年 | 平成23年 | 平成22年 | |
1回目 | 4月8日 | 4月8日 | 4月9日 | 4月10日 | 4月10日 | 4月10日 | 4月10日 | 4月11日 | 4月12日 | 4月12日 | |
2回目 | 4月11日 | 4月11日 | 4月11日 | 4月11日 | 4月13日 | 4月14日 | 4月14日 | 4月14日 | 4月14日 | 4月14日 | |
3回目直前チェック | 4月15日 | 4月15日 | 4月15日 | 4月15日 | 4月15日 | 4月15日 | 4月15日 | 4月15日 | 4月15日 | 4月15日 |
令和4年度の本試験の結果は、 25問中20問の正解でした。
※15点正解がボーダーなのでちょっと余裕あるスコアでした。
誤差の範囲ですが、去年が19問の正解でしたので去年より1問正答個数が増えました。
(休憩時間)
いつものように、自宅から最寄駅に行く途中のコンビニでおにぎり2個、ペットボトルの水を1本、チョコレートを購入していたので休憩時間に食べました。
あまりにも試験会場内が寒かったので、食後に会場を出て大学内を軽く散策しましたがミッション系の大学でチャペル(礼拝堂)があり、それがとても素敵でしばらく見とれてしまいました。
脱線して恐縮ですが自分が結婚式を挙げたときのチャペルを思い出しました。
(午後1)
3問の大問のうち2問を選びます。
時間勝負なのでゆっくり選択する問題を吟味する時間もありません。
SCのときも、PMのときも、SMのときもいつもいつも高度情報処理試験の「午後1」には制限時間が厳しくて苦戦してきました。
今回は問1から3までざっと目を通して、問1はなんとかなりそうなのでまず問1を選択しました。
問2か問3かの選択ですが、問2を読んでいて「OSPF」という文字を見て去年の午後1問2の悪夢(OSPF問題の大苦戦)を思い出して、なんとなく問3を選択しました。
※あれから去年のOSPFの復習をしてOSPFの問題に関しては去年より自信はありましたが、なんとなくトラウマを感じて「OSPF」の文言を見て回避しました( )笑
(午後2)
午後2は大問2問の中から1問を選択して120分で解答します。
120分あるのでじっくり時間をかけてどちらを選択するか決めました。(といっても5分程度でどちらにするか選びましたが)。
去年は午後2問2のBGPとOSPFの複合問題に大変悩まされて結局午後2で合格点に届かないという結果に終わりましたので、ここはちょっと慎重に見比べました。
問1は時勢的にやはり来るなと思っていたテレワーク環境が題材の問題。
問1「鍵」や「クライアント証明書」という文字を見て、なんとなく回避して問2を選択しました。これでもYuubariはSC持ちなのですが、ちょっとこのあたり苦手というか細かい内容を忘れてしまって自信が無かったので・・・
問2ですが、SDNを絡めた環境移行の問題ですが、解いた雑感としては過去のNW過去問のこの手の問題と比べるととても素直でひねりが無い問題だったのでちょっと驚きました。
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今回は時間配分もうまくいって午後1、午後2ともほぼ完答しました。
※午後1問1の最後の計算問題が間に合わずにタイムアップで空欄になってしまいましたが。
Yuubariが今回選択した午後1と午後2の問題はこれまでのNWの過去問と比べても相当素直で解きやすい問題に感じました。
少なくとも去年(令和3年)の本試験で午後1問2、午後2問2を解いていてあまりの難しさに頭がキーンとするような悪夢は今年に限っては無かったです。
ただしこれが情報処理試験の落とし穴で、Yuubariが「解きやすい」と感じたということはほかの人も同じように感じたはず。
各フェーズで60%正答のスコアで合格とはいえ、毎年の合格率が著しく変動しないこの試験は相対試験であるとYuubariは確信しています。
その中で午後1と午後2とも足切りを抜けてきた人たちの上位に入らないといけないので(しかも高度はほとんどの人がAP合格済み)、合格は簡単ではありません。
ですがもうしばらく試験のことはさっぱり忘れて、育児に力を入れたり旅行やGWの遊びの計画を立てようと思っています^^