今後の情報処理技術者試験がどうなるか考えてみました
昨年(2020年)は新型コロナウィルス(Covid-19)の問題により社会が様々な影響を受けましたが、IPAが主催している情報処理技術者試験もとても影響を受けました。
Yuubariも秋に受けようとしていたネットワークスペシャリスト試験(NW)が2021年4月に延期になってしまい、自分の立てた勉強計画の見直しをすることとなりました。
ここ4年ほどYuubariは情報処理技術者試験を受け続けているので今後の試験の在り方がとても気になります。
今後の情報処理技術者試験がどうなるかYuubariの疑問も交えて考えてみました。
■どこまでCBT化するか?
昨年情報処理技術者試験の中で、もっとも影響が大きかったのは試験の方式そのものが変わってしまった情報セキュリティマネジメント試験(SG)と基本情報技術者試験(FE)だと思います。
この2試験は2020年は延期につぐ延期で、なんと受験者集合の記述式試験だった試験形式がCBT化してしまいました。これにはYuubariもびっくりしました。
※CBTとはComputer Based Testの略で、要するにパソコンで受ける試験のことを言います。
情報処理技術者試験の中ではITパスポート(IP)が既にCBT試験として存在しているので、IPAとしてはいずれはSGもFEもCBT化する考えはあったかと思いますが、新型コロナウィルスの影響による試験場所確保の問題で急なCBT化導入を進める必要があったのかと思います。
2020年1月現在、情報処理技術者試験でCBT化しているのは以下矢印を付けている3つの試験です。
・ITパスポート試験(IP)
・情報セキュリティマネジメント試験(SG)
・基本情報技術者試験(FE)
この3つの試験はもともと全ての問題が選択式で記述する問題がないからCBTをすぐに実現できたのですが、今後ほかの区分の試験がどうなっていくか気になるところです。
応用情報技術者試験(AP)および各種高度情報試験に関してはAM(午前)試験に関しては全部選択式なので少なくともこれらのAM試験についてははCBT化可能だと思います。
試験を主催しているIPAも公式で
なお、新型コロナウイルス感染症対策を前提とした「新たな日常」を踏まえた試験の在り方を抜本的に再検討し、2年後を目途に、新方式への移行を目指します。
と述べていますから他の区分でもCBT化する可能性が十分あるかと思います。
■記述式・論述式試験のCBT化はあり得るのか?
これはとても気になりますね。
情報処理技術者試験はほかのVendor試験と形式上で最も異なるところは記述式・論述式の設問があるところだと思います。
時間内に問題を解き切る情報処理能力、長文を読みこなす文章把握能力、長い文章で自分の考えを相手に理解させる表現力などを問う意味で記述式・論述式はこの情報処理技術者試験の特徴のひとつだと思いますが、これを含めてCBTで実現することがあるかどうか。
Yuubari個人としては記述式・論述式の設問もCBT化は賛成です。
高度情報試験の論述試験を受けたことのある方はおわかりだと思いますが、論述式は時間内に規定の字数を書き切らなければ大幅減点になるので多少読みにくい汚い字でもとにかく字数を埋めることに必死になります。
Yuubariはプロジェクトマネージャ試験とITサービスマネージャ試験の2回の受験でしか論述式を受けたことがありませんが、2回とも試験中手が攣りそうになるくらい文章を頑張って書きなぐりました。
もともとそんなに字が綺麗な方ではないのですが、時間に追われて最後の方は本当に汚い字での論述になってしまい、採点してくれる方に申し訳ないと思っていました。
最低限読める字だったからこそ2回とも合格することができましたが、これがPCを使った論述だったら書く方(受験者)も読む方(採点者)ももっと論述の内容に集中できて試験としてのクォリティが上がるのではないかと思います。
問題はキーボードを用いることでタイピングのスピードに個人差が出ること。
タイピングのスピードが試験の合否に影響するのは試験としてはおかしな話かもしれませんが、幸か不幸か情報処理技術者試験はITに関わる能力を計る試験。
パソコンを用いないITの仕事は無いわけで、特に論述試験がある区分の情報処理技術者試験はメールや文章を作成する仕事が比較的多いはずですので最低限のタイピングのスピードも情報処理能力のひとつと考えると論述試験のCBT化もアリだと個人的には思います。
■在宅受験は可能になるか?
Yuubariは去年Cisco SystemsのCCNA試験を受けました。
試験センターでCBT形式で受けたのですが、受験を申し込むとき「在宅受験CBT」も選択肢として選ぶことができました。
在宅受験の場合、試験を受けるPCに接続したWebカメラを用いて試験中は受験者が不正をしていないか試験管がチェックする形で試験が進むと記載がありました。
カメラで見張られながら試験を受けるのはどうも落ち着かないので、Yuubariは試験センター受験で申し込みましたが、選択肢として在宅受験ができるのは意外でした。
IPAも在宅でのCBT受験導入を当然考えていると思います。
新型コロナウィルスのような感染症の場合、大人数が集合すること自体がリスクになるので対策として在宅受験CBTは有効だと思いますが、この場合不正行為対策が非常に難しくなると思います。
Webカメラで試験中に監視しているとしても手元までは写せないわけで画面を見ているフリで用意しておいたカンペを除くことも物理的にできてしまうのが問題だと思います。
また試験問題漏洩防止のためにスクリーンショット撮影は禁止していても技術的にいくらでも画面保存できてしまうと思います。
Vendor試験ならともかく、国家試験である情報処理技術者試験で不正行為が見逃されるようなことが絶対にあってはいけないはず。
このあたりの不正行為防止の難しさが在宅受験CBT実施のネックとなると思います。
■CBT化後、試験問題(過去問)の公開はどうなる?
CBT化する前の受験者集合形式の情報セキュリティマネジメント試験(SG)と基本情報技術者試験(FE)は試験問題の持ち帰りが可能でした。
CBT化してからは当日の問題持ち帰りが不可となりました。当然ですね。
受験者がそれぞれ自分で試験日時を決めて受けるCBT試験ですから、試験問題漏洩防止のため今までできた試験問題の持ち帰りができなくなるのは仕方ないです。
ここで疑問となってくるのは、合格発表後に試験問題をIPAが公開するかどうか。
昨年12月から始まったばかりの情報セキュリティマネジメント試験(SG)はまだIPAはCBTで出題された試験問題と公式解答を公開していません。
試験問題(過去問)の公開が無くなるということは、試験勉強のやり方が根本から変わってきます。
Yuubariだけではなくほとんどの情報処理技術者試験の受験者の方は過去問を軸に試験勉強をしていると思います。試験内容が秘匿されたら勉強の仕方自体が変わってきてしまいますね。
正直今のNW試験のような高難易度な試験で過去問が一切無い状態で試験勉強しろと言われたらYuubariは途方に暮れます^^;
ここまでYuubariの妄想や疑問を交えて書いてみましたが、この先どうなるかは新型コロナウィルスの問題終息状況も絡んでいると思いますし、神(とIPA)のみぞ知るということになります。
いち受験者のYuubariは直近で自分が受ける情報処理技術者試験に大きな変更が無い限りこれまで通り粛々といままでやってきた試験対策を続けることにします。