折れない心

何度も敗北を味わってきた筆者が挫けずに試験勉強や語学を頑張ります。現在はAWS認定ソリューションアーキテクト[アソシエイト]に向けて対策を取り組んでいます。

Yuubariの読んでよかった本 (その3)『もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか』

 

今回紹介するのはこの1冊

もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか

もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか

  • 作者:金沢 優
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2018/05/07
  • メディア: 文庫
 

 

『もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか』

 

なかなか挑発的なタイトルの本ですよね。


この本は多くの日本人が抱えている英語コンプレックスに対して明確な解決方法を提示した画期的な小説です。


英語が話せないコンプレックスを抱えた公立中学の英語教師の主人公が画期的なレッスンを展開する英語学習塾で英語のコミュニケーション力を獲得しようと努力するお話です。
小説形式なので内容的にとてもわかりやすくさくっと読めてしまいますが、英語を用いたコミュニケーション力を高めるための英語学習のエッセンスが詰まっています。

 

最近なかなか読んで良かったと思える本に出合えてなかったですが、この本はYuubariの感性に刺さりまくりました!
英語を習得しようと努力している全ての日本人におススメしたい素晴らしい一冊でした。
滅多に小説を読み返さないYubariですが、あまりにも得るものが多かったので二度読んでしまいました。時間を置いてまた読み返したいくらいです。

 

(日本の中高英語学習について)
この本のタイトル通り、もし高校4年生まであっても英語は話せるようにはならないんですよね。もちろんYuubariもそうでした。
だって話すレッスンなんて中高の英語教育でほとんどありませんでしたから・・。

 

ひたすら英文和訳や英文読解、文法問題などを解き続けました。
最近は入試ではリスニングを導入するケースも増えてきましたが、依然として話す能力の底上げは軽視されていると思います。

Yuubariはそれがなぜなのかわかりませんでした。
「大学に入ったときに英語の論文を読むためかな?」とか考えていましたが、そういうわけでもなさそう。事実Yuubariは文学部なのに大学時代英語の論文なんて一本も読みませんでした(´·ω·`)
この答えが『もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか』に書かれています。

 

(現実と乖離した中高英語学習)
日本の中高の英語学習は決して意味がないとは思いませんが、現実にあまりにも即していない面も多々あるかと思います。
この本の作者さんも日本の英語教育について「やり方は間違っている」とは言及しているものの意味がないとまでは言っていません。

Yuubariは現在英語を使って仕事していますが、中高で英語を頑張って勉強して獲得した英語知識が役に立っている実感はあります。


ですが、あまりにも現実と違う英語の運用の実態が英語学習では多々あるんですよね。

全く英語圏の人と接したことが無かったYuubariは初めて外資の会社で外国人(豪州人)と仕事した日に苗字でメールに冒頭で「Dear Mr.White ...」と書いて送ったところ爆笑されました。
相手を苗字で呼んだ上に、Yuubariの書いた英語はとてもかたっ苦しい表現の英語だったからです。


今だったらわかりますが、英語圏で相手を苗字呼びするケースってほぼ無いんですよね。会社内でどんなえらい人でも相手を名前で呼び捨てします。

また、当たり前のように飛び交う英語の略称(たとえば「ASAP」、「R&D]、「AFK」など)も全くわかりませんでした。


こんなことは学校の英語教育では教えてくれませんし、わたしたちは完全に型にはまった英語を教えられてきた。
このあたりの日本の英語学習の妙にアカデミックに偏向したカリキュラムや古色蒼然とした学習内容をぶった斬ってくれていてYuubariはうなずきながら読んでしまいました。

 

(英語をお金儲けの道具にするのはいい加減にしろ!)
英語でスムーズにコミュニケーションするために多額の費用と時間をかけて思うような成果を上げることができなかった人は多いと思います。
Yuubariもその一人です。

中高・大と英語を授業で習って、社会人になってもTOEIC対策などで英語を勉強してきましたが会話力が一向に伸びず、仕方なく1年間某全国チェーン展開している英会話教室に通いました。
その英会話教室では30万円超払って1年間通いましたが残念ながら英語のコミュニケーション力はほとんど伸びませんでした。むしろ英語コンプレックスが助長されただけでした。

 

でも今だったらわかります。
「受け身の学習」をしている限り一生英語で話せるようにはならないんだと。
それに気づくまでに本当に長い時間とお金をかけてしまいました。

 

Yuubariは自分の過去を振り返って間違ったやり方を続けていた自分に呆れるとともに、ろくに成果を生み出せなくお金だけ使わせる日本の英語教育産業に本当に怒っています。
「聞いているだけで英語がわかるようになる」なんて幻想を振りまいたり、単なる茶飲み話しかできない英語のネイティブスピーカーを講師として使い、無駄に高い学費を使わせたり・・・・もういい加減にしろ!と言いたいです。
そのあたりも本書ではとても胸のすく論調で世にはびこるインチキ英語学習を切り捨ててくれています。

 

(ただしここだけ現実的に難しいのでは?と感じた)
本当に素晴らしい英語の習得ロードマップを示してくれている本書ですが、ひとつだけ現実の英語学習としてはは難しいと感じたことがあります。
日本語を使わずイメージで英語を運用することを旨としてる本書の英語学習メソッドですが、内容が具体的ではない抽象論になると絵などでイメージを用意すること自体が困難なのでトレーニングとしては難しいのはないかと読んでいて感じました。

これが理想の英語学習であることは同意しますが、この本で登場する英語学習塾の完全なレッスン再現はできるのでしょうかね。

 

いろいろ個人的なことも書いてしまいましたが、日本人の英語へのアプローチを胸のすくような切れ味でぶった斬って日本人が真の英語学習を受けられるような方法論を具体的に提示してくれた一読の価値がある一冊です。
繰り返しになりますが、英語を本気で勉強したいと思っている方にはぜひおすすめしたい一冊です(*゚▽゚)