折れない心

何度も敗北を味わってきた筆者が挫けずに試験勉強や語学を頑張ります。現在はAWS認定ソリューションアーキテクト[アソシエイト]に向けて対策を取り組んでいます。

ITサービスマネージャ試験の練習論文

ITサービスマネージャの試験がさ来月(4月)にありますが、以前に午後2試験(論述)対策で試験前に練習で書いた論文が出てきましたのでここで上げたいと思います。
 
論述として至らない点もあると思いますが、現在Yuubariは本職でシステム管理の仕事をしており曲がりなりにもITサービスマネージャ試験(SM)を2019年に初受験で合格しているので、ITサービスマネージャ試験の受験者の方に何かの参考になればと思いここにアップしてみました。
 
ちなみにここで掲載した論文は平成30年度ITサービスマネージャ試験(PM)の午後2の第2問『ITサービスの運用チームにおける改善の取組みについて』です。
 
問題文はこちら
 

f:id:yuubarix:20210207210927j:plain

 
注意)
・Yuubariが2019年の本試験のときに書いた論文(いわゆる復元論文)ではありません。あくまで本試験前に練習で書いた論文の一つです。
・内容的に至らない点は多々あるかと思いますがご容赦ください。「この内容で合格できるのか」とは思わないでいたほうが良いかも。
・午後2試験(論述)の試験時間は2時間ですが、下記は記述スピードが速いPCで作成したので1時間半以内に書きました。
・色を変えた部分は問題文で記載されている状況を充足するために書いた部分になります。
 
Yuubariが練習で書いた論述は以下になります。
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1.私が携わったITサービスの概要と課題

1-1.私が携わったITサービス

 私は保険業務を営むN社のITサービスマネージャである。当社のITサービスの運用チームはエンドユーザから個別で報告を受けたシステム関連の問題や監視システムが検知した障害、新規システムの展開や初期導入時のサポートを行っている。

 仕事のタスクの割り振りはサービスリクエスト(以降SRと表記する)に基づく。SRはITシステムを利用するエンドユーザから発行される場合や監視システムが自動で発行するケースがある。

 運用チームは自分が担当する分野や事務所の場所により自動的にSRが割り振られ、各SRに設定された深刻度に基づいた期限までに問題解決もしくはサービス提供の完了が求められる。

 対応が完了してクローズされたSRは集計され毎月ITサービスマネージャである私が内容を精査・分析し部門としての生産性向上、作業品質の向上、顧客満足度の向上に努めている。

 運用チームは私を除き8名おり、年齢やスキルに差がある。それぞれ担当分野を割り振った上で業務に当たっている。

 

1-2.運用チームの課題とその根拠について

 前述の通り私は毎月集計されたデータをもとに分析を行っていた。ここ数カ月の間で以下の課題が散見された。

  1. ユーザからの問題解決依頼に対する問題解決までの期間(MTTR)が徐々に長くなってきている。
  2. 作業ミスによる、手戻りの作業が発生し、そのために一件あたりのSRに対応する時間が増している
  3. ランダムで行ったユーザへのアンケートによると、問題が完全に解決していないのにSRをクローズされたなどの不満がみられる。

 

2.課題を達成するための改善の取組

2-1.課題達成のための目標設定

 集計データから判断した問題について私は運用チームのメンバにヒアリングを行い、それに基づいた目標を設定した。

  1. MTTRについてはヒアリングの結果、人事異動により他部署から来た課員が不慣れな作業を行っていることもあり、それが対応時間の増加につながっていることが明確になった。しかるべき対応を取り、MTTRを2カ月以内に現在の 70%に短縮することを目標とした
  2. 作業ミスや漏れによる手戻り発生については「慣れ」により思い込みで作業を行っているベテランの課員がしばしば引き起こしていることがわかった。こちらも2カ月以内に成果を出すことを目標とし、手戻り率を現在の10%から最終的に5%に減らすこととした。
  3. 顧客満足度の低下についてはユーザとのコミュニケーション不足や対応時の説明が不足していることがこの結果に直結していることがわかった。ユーザからのITサービス部へのクレームについては月間ゼロを目指すことを目標として掲げた。

2-2.運用チームの力を集結するために行った工夫

 不慣れな作業によるスキル不足については、週1回1時間を取り特定のシステムの勉強会を運用チームで行うこととした。そのシステムを部署で最も熟知している者を講師として私が指名し、システムの概要や対応方法の詳細・質疑応答を行う形で勉強会を行った。

 その結果、講師に指名された者は責任意識が芽生え勉強会に参加したメンバーの間で結束力が生まれた。

 作業手順の誤りや漏れについては、個人任せだった対応ノウハウを部内で共有することにより、作業を標準化することに成功した。

 また、共有した対応手順について認識誤りや手順間違いがある場合は資料の作成者と話し合った結果修正し、共有した手順の品質向上に努めた。

 顧客満足度の点においては、今まで集計データは私個人が分析する用途に用いていたが積極的に部内で公表することにし、ユーザからの不満や苦情について各人で認識してもらうことにした。多くの苦情は

・対応した運用チームメンバの対応が遅い(なぜ時間がかかっているか説明がない)

・対応した運用チームメンバの問題対応方法の説明が不足している

・対応した運用チームメンバが未完了のSRをクローズしてしまった

などであった。

 私はチェックリストを作成し、エンドユーザからの対応依頼に対してサービスを行った際は、上記の項目についてひとつひとつ完了した際にチェックを付け、全ての項目がチェック済にしてからSRをクローズするよう運用チーム課員に課した。

  

3.目標達成状況及び取組の評価

3-1.目標達成状況

 改善の取組を開始しから2カ月後のSR集計データを分析した結果、全ての項目で目標を達成することができた。特に他部署から異動してきた新人や経験の浅いスタッフについて大幅な改善がみられた。MTTRの70%達成はスタッフ各員の自信につながる結果となった。

 また、顧客満足度についてもユーザにヒアリングした結果から「運用チームが今までとは異なり、対応内容や行ったサービスを詳細に説明してくれるようになった」という声を多く聞くことができ、対応満足度の数値も向上することができた。

 

3-2.良かった点、悪かった点

 良かった点としては課員ごとの生産性・作業品質を均一に近づけることができた点である。それにより部署全体のサービス品質向上に繋がったことである。

 悪かった点は毎週の勉強会が日常業務の妨げになることがあった点である。毎週決まった一時間を8人拘束する上、講師となる場合資料や講義内容の準備を行う必要があるため負担となることがあった。この点については、必ずしも週1回の開催とせず、繁忙期は開催しないなど柔軟な対応を今後はしていきたい。

                          以上
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自分で言うのもおこがましいですが、設問で問われていることをひとつひとつ書きつつ、具体的な実績も記載してそこそこ書けている内容になっているかなと思います。
 
読み返して思ったのですが、もっと採点者が読むことを意識して問題文で使われている言葉を使いながら「工夫した点は・・・」や「管理指標として」、「・・・という形で結果を見える化して」などと端々に問題文の言葉を入れた方が良かったと思います。
 
論述の練習をしていて常に意識していたのは「問題文で求められている内容に沿ってストーリーを構築し、求められている記載事項を漏れが無いように論述していく」ということでした。
ですので問題文に書かれている条件や状況には四角で囲ってマーキングし、論述を書きながら問題文に戻りマーキングしたところに「ちゃんと書いたよ」の印をつけてまた論述に戻るということを繰り返しながら書き、記述漏れを防ぐようにしました。
論述試験といっても好き勝手書いてよいわけではない、と常に意識しながら取り組むのが必要だと思っています。
 
ちなみに、この試験についてはYuubariはシステム管理が本職なのでほとんど普段の仕事で論述を書くネタは足りていたので練習で書いているときもスラスラ書けました。
その点はプロジェクトマネージャ試験(PM)の論述練習をしているときよりは負担がありませんでした。