折れない心

何度も敗北を味わってきた筆者が挫けずに試験勉強や語学を頑張ります。現在はAWS認定ソリューションアーキテクト[アソシエイト]に向けて対策を取り組んでいます。

ITサービスマネージャ試験の対策を振り返ってみました

 無事に合格することができたITサービスマネージャ試験を振り返ってみました。

 

今後別のカテゴリーの情報処理試験を受ける上で忘れないように最後にこの試験で行った対策を見返し、次の目標に生かしたいと思っています。

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(午前の対策)

 

午前1:免除

 

午前2:Yuubariの実際の結果は80点(20正解 / 25問)
SC,PM試験に続き高度情報の午前2は何度も受けているので対策の要領は予め知っていました。
午前2の具体的な対策としては「直前にひたすら過去問5年分を詰め込み、リサイクル(再出題)問題を確実に拾う」
午前対策に時間をかけるのは勿体ないと感じていたので午後2対策で行ったのはこれだけでした。


ちなみに、Yuubariの調べでは高度の午前2は前年度の問題は再出題されず、2-3年前の午前2過去問から再出題されるパターンが多いです。

この通りYuubariは午前2については直前の過去問のやりこみ(問題を見た瞬間答えが出せるようにした)で難なく突破できましたので、ITサービスマネージャ試験は午後1と午後2の試験だけの勝負になりました。

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(午後1の対策)

 

午後1:Yuubariの実際の結果は61点(60点で及第なのでギリギリでした)
過去の演習としては9年分を2~3周しました。


実際の試験は1-3問の中から2問選択するのですが、Yuubariは過去問演習では問1から3まで全部解きました。

まずは時間配分通りに解いてみて(大問1につき45分)、自分の書いた回答と公式解答とにらめっこ(比較)しながらなぜその解答(公式解答)になるか考えてみる。
そのあとその参考書の解説をじっくり読み理解できるところまで自分の中に落とし込む、といういつものプロセスで過去問演習を進めました。

 

しかし大きな問題がありました。
今回使用した参考書の解説がとても自分と相性が悪かった点です。

 

前回PM試験で使用した参考書(みよちゃん本)は非常に解説が優れていて、「時間を計って解く→公式解答と比べて自己採点→解説を読む前に自分の書いた解答がなぜ公式解答と乖離したか考える→参考書の解説を読み込んで理解」というサイクルをとても充実して行うことができましたが、今回買ったITサービスマネージャ試験用の参考書は解説を読んでもまったく理解が進みませんでした。

 

具体的にその参考書の解説の何が問題だったかというと、解答に関わる問題分の箇所を記号で表記しているのですが解説でたくさんの記号が用いられていて読んでいるうちに訳が分からなくなってしまい戸惑うという点でした。

過去問を始めて最初の数年はそれでも頑張って公式解答をみながら答え合わせしたあとに参考書の解説を読みましたが、読んでいると頭痛がするくらいわからなくなってきたので途中でギブアップしました。
うーん、やはり参考書選びは大事ですね(=_=)

 

結局、午後1は時間を計って解いた後にIPAの公式解答で自己採点しながら「なぜこの解答になるのか」を一問ずつ自分で考え納得するようにしました。


これは「ITサービスマネージャ試験の午後1」だからできたのだと思います。
この試験は技術面を深く問う試験というよりITサービスの運用面の常識的行動・思考様式を問う傾向の試験なので、スペシャリスト系の高度情報試験と違い公式解答を見た瞬間「?」となることがあまり無かったからです。

技術的に深い部分を問われる試験でしたら解説を読まないと公式解答を見ただけでは理解がおぼつかなかったと思います。

 

また「解答パターン」(「こう問われたら、こう答える!」)を頭に叩き込むということが大事、ということを過去受けたSC,PM試験を通して自覚していたので、ここはしっかり対策を行いました。

 

具体的な例としては・・・


問「業務の一部をほか部署に移管するとき渡す側の部署がやるべきことは?」→答「標準変更の手順を整備する」


問「発表予定のメンバーが変更諮問委員会に出席できないとき、そのメンバーはどうすべきか?」→答「事前にリスクアセスメントの結果を伝える」もしくは「代理者を登録して出席させる」


問「対応マニュアルを改訂するときにすべきことは?」→答「対応マニュアルを構成品目として変更計画の対象とする」
といった感じです。

 

こういった知識は試験対策と割り切っても良いのですが、IT運用の現場でも「こういうケースのときはどうする?」という行動規範として実際の業務でも役に立つノウハウなので覚えていて損はないですね。

 

(午後1過去問の持ち歩き)
Yuubariは移動中などの隙間時間に勉強することが多いです。
以前書いた通りバインダーに年毎に過去問をまとめていましたが、それを外出時に何冊も持ち歩くのは大変。
タブレットに過去問を入れても良いのですが、練習で自分が解いたときに書いた記述の答えも見てどこを間違ったのか把握しながら復習したかったです。

 

また、一度解いた午後1の問題について時間を計って解くやり方で覚えるまで何度も問題を解くのも有効かと思いますが、それだと時間がかかりすぎるので午後1演習プロセスの時短のためにこちらの本を使いました。

 

ポケットスタディ高度論文試験午後I・II対応 (情報処理技術者試験)

ポケットスタディ高度論文試験午後I・II対応 (情報処理技術者試験)

 

 ポケットスタディシリーズの一冊ですが、ほかの区分も含まれているので持ち歩くにはかなり厚い本です。
ですので、YuubariはITサービスマネージャ試験の午後1部分だけ切り取って持ち歩き、隙間時間に眺めていました。

 

SC試験の対策のときに使用したポケスタの速効サプリと同じく過去問を抜粋してQ&A形式にしている形式なので読みにくいことは読みにくいです。
しかし持ち運びという点では優れていますし、過去問のエッセンスがコンパクトにまとまっていており、そういう意味では使いやすかったです。


版が古いのが難点でした。ここ1-3年前の問題は掲載されていないので直近の問題は別途対応が必要でした。改訂することもあるかもなので書店でパラパラめくって記載されている過去問の年度を確認するのがよさそう。

 

このようにITサービスマネージャ試験の午後1はこのように十分な対策はしたつもりでした・・・しかし当日の試験では午後1の問2がYuubariにとっては物凄く難しく、試験中は泣きそうになりました。

 

それでもなんとかギリギリの点数(61点)で午後1を突破できたのは過去の経験を生かして午後1の過去問にじっくり向き合った成果だと思います。

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(午後2は経験が生きた)


午後2:Yuubariの実際の評価は「A」
評価区分がA~Dの4段階しかないので、Yuubariが本試験で書いた論文がAではあるもののどの程度評価されたかわかりません。
ですが、PM試験も含めて今年1年通して論文の練習をしてきたので内容的にはそつなく書けたとは思います(午後2の試験中に書いている間は必死でしたが)。

 

今回の午後2の論文に関してはかなりこれまでの経験が生きました。

 

・4月に受けたPM試験の勉強を通じて午後2論文の論文お作法や時間配分、記述テクニックが身についていた


・論文で記述するネタについては普段のITサービス運用の仕事で経験したことで十分対応できた。(ネタ集め自体不要だった)

 

この2つの経験が無ければ午後2は突破できなかったかもしれません。
試験中の土壇場で午後2の論述の順を途中で問イから問ウに変えてまた問イに戻ってくるという荒業ができたのは間違いなくPM試験の午後2の経験が生きた結果だったと思います。

 

(午後2対策:実際に書く練習)
Yuubariは今回PCで論文の練習として6回書きました。
最新の過去問(2018年)から遡って過去6年分の午後2の論文を書いた形になりますが1年分につき問1か2のどちらかを選択して論文を書きました。
本試験直前に手書きで1回練習して対策終了としましたので、本試験は8回目の論文作成でした。
本当は事前に10回分くらい練習論文を書いておきたかったですが、時間とモチベーションが不足していました。

 

手書きと比べてPC作成は筆記スピードが速いのでPCでPM試験の論文を作成するときは1時間半以内と決めて練習しました。
PM試験で手書きの練習論文を書いて慣れていたというのもあって今回はPCだけの練習論文にしましたが、もしはじめて情報処理技術者試験の論文試験を受けるならば最低でも1度は手書きで書く練習をしてから本番に臨んだ方が良いですね。

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(PM試験の勉強で使用した参考書について)
過去問はIPAの公式サイトからダウンロード。

Yuubariは以下の参考書を使用しました。

 

『情報処理教科書ITサービスマネージャ』

 

情報処理教科書 ITサービスマネージャ 2019~2020年版

情報処理教科書 ITサービスマネージャ 2019~2020年版

 

  午前1対策のところで上述しましたが、正直この参考書の過去問の解説が性に合わずあまり活用しませんでした。
ITサービスマネージャ試験の基礎知識を確認するためにたまにパラパラ読んだ程度しか使用しませんでした。

 

 

『絶対わかる!論文問題攻略法』 

 情報処理安全確保支援士(SC試験)のときお世話になった対策サイト「SEIKOの剣」のサイト管理人の左門至峰さんの書いた本書。
PM/SM試験に限らずIPAの高度試験の論文対策に向けた本書ですが、どちらかという本格的な対策本というより高度試験の論文作成のヒントを与えてくれるアドバイス集に近い本かもしれません。


左門さんが受験生時代に書いた合格論文も各区分ごとで載っているので参考になりました。
もし今後AUやSTをYuubariが受けるとしたらまたこの本を読み返すと思います。

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ITILについて)
情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャ試験(PM)がPMBOKに準拠しているように、ITサービスマネージャ試験(SM)はITILに準拠しています。
ITIL(アイティル)は英国発祥で国際標準化したITサービスマネージメントのベストプラクティス集なのですが、ITサービスマネージャ試験も午前2などは相当ITIL関連の問題が出題されます。


しかし午後1、午後2ともほぼITILからは出題されません。
午後試験でITILの知識が問われない理由はわかりませんが、ITサービスマネージャ試験がITILにべったりだと試験の意義自体が疑問視されるから・・・ですかね?

YuubariはそれでもITサービスマネージャ試験の前にITILの知識を深めたく、今年の6月にITILの入門試験でもあるITILファンデーション試験を受けました。(勉強期間は約一ケ月)


ITILに取り組んだのはITサービスマネージャ試験の対策という意味もありましたが、ITILファンデーション試験もITサービスマネージャ試験も合格そのものが最終目的ではなく自分の関わっている仕事について理解を深めて業務に生かしたかったからです。
そういう意味ではITサービスマネージャ試験のためにITILファンデーション試験を受ける必要は必ずしも無いと思います。

 

しかしYuubariに限っての話ですが、もしITILファンデーション試験をITサービスマネージャ試験の前に勉強して受けていなければ今回のITサービスマネージャ試験に合格できなかったと思います。


なぜかと言いますと、今年(2019年)の午後1の問1にITILの要素が出てきたからです。
問1で直接問題にITILの知識が問われたわけではありませんでしたが、問1に記載されている「7ステップの改善プロセス」はITILを知っていたらとても馴染み深いナレッジで、問1の問題文はこの継続的サービス改善の手順に沿って言及されていました。

おかげで問1に関してはは特に詰まるところなく至ってスムーズに読み進めて解答していくことができました。


もしYuubariがITILを知らないまま今回のITサービスマネージャ試験を受けていたら、きっと午後1で不合格だったと思います。
Yuubariの午後1の点数はギリギリ(61点)だったうえに、午後1を完答するまでに時間的余裕はほぼありませんでしたので。

 

こういうめぐり合わせもあり、なんとかYuubariはITサービスマネージャ試験に合格することができました。