折れない心

何度も敗北を味わってきた筆者が挫けずに試験勉強や語学を頑張ります。現在はAWS認定ソリューションアーキテクト[アソシエイト]に向けて対策を取り組んでいます。

日本の社会人は勉強しない?

最近よくネットの記事で目にすることなのですが、「日本人は社会に出た後はとにかく勉強しない」ということ。

総務省統計局の「平成 28年社会生活基本調査」によると、有業者が「学習・自己啓発・訓練」に充てる時間は1日当たり平均6分間

ということでした。

衝撃的な数字ですよね。6分って・・・・

※社会人にとっての「勉強」「学習」の定義が難しいですが。資格試験や昇進試験に向けての勉強はもちろんそれに該当しますが、仕事にまつわる何かのスキルを得るための行為(専門書を読んだり、業界紙を読む、Webトレーニングを受ける、関心があるビジネスセミナーに参加する)も該当すると思います。

 

そういえば確かに周りを見渡すとYuubariも職場で何か資格試験や自己啓発に取り組んでいるという人はそれほど多くないです。

人に言わないだけでこっそり勉強している人はいるかもしれません。

Yuubariも訊かれないかぎりあまり資格試験に挑戦する(している)ということを職場で口外したことはありませんし。

 

一方で同じ職場で毎週末大学院に通ってMBAを取得した人や夜間の大学に通って学士を取得した人もいました。

ですので「1日平均6分」としてもYuubariの印象としては、「ものすごく勉強熱心で日常的に自己研鑽に励んでいる勢」と「まったく勉強していない勢」にはっきり分かれる気がします。

ただ割合としては「ものすごく勉強熱心で日常的に自己研鑽に励んでいる勢」が圧倒的に少ない気がしますが。

「気がします」という言葉の通り、何かに裏打ちされた意見ではなく単なるYuubariの印象にすぎませんが・・・

 

考えてみるとYuubariが学生のときは電車の中で参考書や資格の本、ビジネス書を開く大人が多かった気がしますが、最近はスマホでゲームやSNSをしたり漫画を読む大人が多いですね。

それはそれで忙しい日常生活の中で息抜きとして大事かもしれませんが(かくいうYuubariもスマホを手に入れたばかりのときはそういう時期が長くありました)、それにしても長い通勤時間をずっと目的もなく無為に過ごすのはちょっと勿体ない気もします。

今はみんな疲れているのか、それとも心に余裕がないのか・・・

 

一方、日本以外のほかの先進国の社会人は社会に出た後に大学に入りなおして学位取得を目指したりオンラインで学習したり目標に向けて学習を続けている人が多いと記事では目にしました。

実際Yuubariの努めている会社(外資系企業)の外国人の方は本当に勉強熱心な人が多いです。

 

これはなぜなんでしょうね・・・Yuubariが思いつきで考えるに

 

①日本は残業などで長時間労働が常態化しており、日常生活で勉強する時間を作り出せない(時間的、精神的余裕がない)

②日本ではこれまで終身雇用制度が長く続いており、自分のスキルを磨かなくても今の職場でやっていける

③日本ではスキルアップのメリットがそもそもあまり無い(社会的に評価されない)

④日本の受験勉強が厳しすぎて勉強という行為自体にネガティブな印象が生涯付きまとうので、「学習」というと重い腰を上げにくい

 

といったところでしょうか。

 

他人事のように言っていますが、Yuubariも先月のNW(情報処理技術者試験ネットワークスペシャリスト試験)が終わってから一分も勉強していません・・・・そろそろまずいなあ、と思い始めました。

 

Yuubariの場合は勉強(自己研鑽)する最も大きなモチベーションは「危機感」です。

自分の人生を振り返ると受験にしろ就活にしろ失敗続きだったので、恥ずかしながらかなり自己肯定感がとても低いです。

社会人としてスタートした後も「この先、一生仕事をして食べていけるのだろうか」と不安ばかりでしたので、資格や語学の勉強をすることで自分に付加価値を付けていく必要を常々感じながら生きてきました。

 

そういえば以前読んだ漫画(『白エリと青エリ』というお仕事がテーマの漫画)の中で、進路に迷う高校生の主人公が伝統工芸の職人である祖父に相談したところ祖父からは「どんな商売でもいいからさ、職人になりなよ」と言われるシーンがあるのですが、Yuubariは「そうそう、手に職をつけることが大事なんだよね」ととても共感しました。

仕事をしながら得る知識や技能が最もウェイトが大きいというのはその通りだと思いますが、それ以外でお自分で付加価値をどんどん付けていくのは技術職ならばとても有効かと思います。

 

子育てや仕事の忙しさを言い訳にすることは簡単ですが、この先のキャリアや自分の人生を考えると、慢心せずなんとか隙間時間を使ったり計画的に勉強時間を捻出してなんとか継続して勉強しながら結果を出していきたいです。

もう少し子どもが大きくなったら同じ机に向かうこともできるかもしれませんが、今はうまくやりくりしないといけない辛抱の時期だと思っています。

 

早めにつぎの目標を立てて日常の中に勉強する時間を組み込んでいきたいと思います。

Yuubariの読んでよかった本(その14)『黒牢城』

この『黒牢城』という作品で米澤穂信さんは第166回の直木賞を受賞されたのですが、米澤穂信さんのいちファンとして受賞の報せを知ったときは本当に嬉しかったことを覚えています。

その日ニュースを見ていたら突然米澤穂信さんの名前が読み上げられて、驚きと同時に「よねぽさんついに・・・直木賞!」といううれしい気持ちでいっぱいでした。

さて『黒牢城』ですが、Yuubariは単行本を購入してから読了するまでおよそ半年もかかってしまいました。

読了までに時間がかかった理由は、家に小さい子がいて手の届くところに本を置いておくと本をボロボロにされてしまうので、帯も含めて大事に保管したいこの本を読むときは子どもが寝た後にしか読めないからでした。

文庫本ならば通勤時に持ち歩いて通勤電車の中で読めば良いのですが、重量のあるこの単行本はそういうわけにもいかず自宅でしか読めない状況でした。

そこで夜な夜な子どもを寝かしつけた後に読み始めるわけですが、重厚な歴史小説なので難解な表現も多々あり10ページ読むとYuubariにも睡魔が訪れてそこで読書中断・・ということが多々ありました。

 

最近ようやく最後まで読み終わりましたが、本当に読み応えのある骨太な小説でした。米澤穂信さんが歴史小説を書くのはこれが始めてだと思いますが、米澤穂信さんの持ち味であるミステリー要素も抜群に冴えていましたし、戦国期の考証も充実した著述表現も非常に巧みで読んでいてとても惹きこまれます。

普段小説は基本的に文庫本しか買わないYuubariが1600円(税別)をはたいて買った、そのもとは十分に取りました( )笑。

 

読了後の満足度がとても高い一作でしたが、しかし誰にでも薦められるかというとちょっと躊躇してしまうかも。

この作品は戦国武将の荒木村重が主君の織田信長に謀反を起こし、村重が統治する有岡城で籠城しつつ織田配下の特使である黒田官兵衛を地下に幽閉し(ここまで史実)、籠城中に城内で起こる様々な事件を虜囚である黒田官兵衛の知恵を借りて解き明かしていくという大筋なのですが、日本の戦国時代の地政学的な知識や勢力図・行動様式・武家社会の在り方など当時の知識が無いと楽しむことが難しいかと思われます。

 

Yuubariも戦国時代についてはあまり明るくなく、荒木村重黒田官兵衛は名前くらいしか知りませんでしたが、有岡城の籠城戦については『黒牢城』を読むまでは全く知りませんでした。

以前和田竜さんの『村上海賊の娘』を読んだことがあったので(『村上海賊の娘』も抜群に面白いですしオススメ)、石山本願寺や毛利勢と織田信長の対立構造は理解していましたが、『黒牢城』はかなり史実を下敷きに書かれている小説なのできちんと歴史的バックグラウンドを知らないと勿体ない。

そこで『黒牢城』を読みつつ下記の本も並行して読みました。

 

『読むだけですっきりわかる戦国史

この一冊でほんとうに戦国期の歴史がすっきりわかりました!

『読むだけですっきりわかる戦国史』で荒木村重黒田官兵衛について記述されているのはほんの数ページですが、織田信長を中心とする当時の情勢がすっきりわかりましたので『黒牢城』も一層読んでいて面白くなりました。

 

『黒牢城』の主人公である荒木村重という人については、後世では戦国武将として決して評価が高くありませんが、彼が逐電したいきさつについて『黒牢城』ではとても独特の解釈となっています。

また信長側の特使だった黒田官兵衛荒木村重が殺さずに幽閉という選択をしたことや、そもそも荒木村重織田信長に対してなぜ謀反を起こしたのか独自の解釈が織り込まれています。

史実とフィクションの組み合わせによって歴史上の出来事が作者によって新しい見方が出来るのは歴史小説ならではの醍醐味かと思います。

 

一定の知識が無いと『黒牢城』を本質的に楽しむことが難しいとYuubariは考えますのでそういう意味では敷居が高い小説なのですが、戦国期の情勢に明るい人にとっては最上級のエンタメ歴史小説として『黒牢城』をオススメしたいです。

メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年 @新国立美術館

以前読んだ「美術展の不都合な真実」という本に記載されている通り「●●●美術館展(海外の美術館から作品を借りてきて展示する)」という形式の美術イベントはどうしても「物見遊山」的展示になりがちで、主催者側の企画自体のメッセージ性(観客にどういう方向性で観てもらいたいかという意思)が薄いと感じます。

 

多くの場合、相手美術館が一部改装などで展示できない期間に日本サイドが高額な費用を寄付という形で相手美術館に支払って借りてきた作品を展示するからなのですが、当然展示できる作品は相手ミュージアムから借りられる作品に限定されるわけです。

今回もメトロポリタン美術館が一部改装するためにその期間展示できない作品群の中からセレクトして借りてきたようです。

借りられる作品が限られるわけですから主催者側がこの手のイベントに特定のメッセージを盛り込むことは難しいです。

 

そういうわけで、ここ数年Covid-19問題もあり「●●●美術館展」系の美術イベントはYuubariはスルーしてきたのですが、今回思うところあって「メトロポリタン美術館展」に行ってきました。

今回観にいった理由としては至極簡単な動機で、Yuubariが好きな画家の作品が多いため行かないといけないと思ったからでした(^^;

なにしろ、Yuubariが好きなフェルメール、カラヴァッジョ、ドガゴヤ、マネ、シスレーターナーあたりの作品を一度に観ることができるからです。

 

今回観に行った中でYuubariが特に印象に残った作品を語ります。

 

ヨハネス・フェルメール『信仰の寓意』 1670-72年頃

今回メトロポリタン美術館からフェルメール作品が来ると聞いて、メトロポリタン美術館が所蔵する4枚のフェルメール作品の中からこの作品が来るとは正直言って思っていませんでした。

この作品は絵のコンディションがあまりよくないため、今まで一度も来日したことはありませんでした。書籍などでも「修復がうまくいかない限りトラベリングは難しい」と書かれていました。

今回が本邦初来日の公開になります。Yuubariも初めて本物を観ました。

 

この作品はフェルメール後期の作品で、フェルメール作品にしては情報過剰な描写になっておりカトリックを象徴するモチーフ(蛇、磔刑の絵、胸に手を当てるポーズなど)が満載な作品です。フェルメールといえばキャリア初期はキリスト教がテーマの絵が多かったのですが、中期以降はずっと宗教色の薄い絵が多かったのですが、なぜかこの絵だけは後期フェルメール作品の中でも宗教色が強い作品です。

 

フェルメール作品としては特徴的によく使用されるウルトラマリンの色合いに目が行きました。また同じくフェルメール作品で定番なアイテムですが、画面左のカーテンの描写も何か自然に視線が画面に引き込まれます。

日常を静かに描いたフェルメール作品が好きなYuubariとしては、この作品はそこまで好きな作品ではありませんでしたが、この絵に関しては何しろ実物をお目にかかること自体が貴重。

実際に観てみると想像より大きい絵で、間近で見るととても迫力を感じてしばらく見入ってしまいました。

 

カラヴァッジョ『音楽家たち』 1597年

カラヴァッジョ作品は日本でも何度か「カラヴァッジョ」展が開かれたのでお目にかかる機会は多かったのですが、いつ観てもカラヴァッジョの絵は本当に惚れ惚れするくらいテクニックが卓越しています。

特に以前『マグダラのマリアの法悦』の実物を見たときは圧倒されて涙が出そうになりました。

カラヴァッジョ作品は純粋に絵画としての描写力が圧倒的なので、実物を見ると見入ってしまうことが多いのですが、この作品に関してはカラヴァッジョの初期の作品ということでまだ超絶テクニックが完成される前の作品のように感じました。ちょっと人物が狭い画面の中で窮屈そうですね。

欲を言えばメトロポリタン美術館が所蔵しているもう一つのカラヴァッジョ作品『聖ペテロの否認』も見たかったです。

まったくの余談ですが、Yuubariは以前寝る前にカラヴァッジョの伝記を読み、カラヴァッジョに殺されそうになる夢にうなされたことがありました( )笑。カラヴァッジョはあれほど神々しい絵を描くのにとにかく乱暴者で手が付けられなかった人物でした。

 

エドガー・ドガ『踊り子たち、ピンクと緑』 1890年頃

悪くない・・いやとても素敵なドガの作品ですよ。ですが欲を言えばYuubariは全盛期のドガ作品が観たかった。

この作品を制作している時代のドガの視力は著しく低下していたので、どうしてもタッチがドガの全盛期に比べて劣る印象を感じてしまいました。

メトロポリタン美術館にはドガの作品が多数収蔵されており、わがまま言わせていただければ同館所蔵の『ダンス教室(踊りのレッスン)』や 『バーで練習する踊り子』あたりを観たかったです。

勝手言っているのは自覚していますが、このあたりを持ってきてくれて観れていたらYuubariは大満足だった。

 

マリー・ドニーズ・ヴィレール 『マリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ(1868年没)』 1801年

この絵はインパクトがあり、印象に残りました。この絵のことをはYuubariは知りませんでしたが面白い構図の絵ですね。逆光でモデルの女性も影になっていますし、むしろモデルの女性がこちらを見てキャンバスに絵を描いていますので見ているこちがらモデルになるメタ構図。割れた窓から外の世界が見えるのも意味ありげです。

 

キリが無いのでこのあたりでやめておきますが、印象に残った絵はほかにもたくさんありました。

さすがにメトロポリタン美術館というだけあって日本初公開の本当に貴重な作品を多々みることができたのでそれは間違いないですが、Yuubariのような泡沫美術ファンのわがままを言わせていただくと、近世以降の画家の代表作を観たかったというところです。特にドガフェルメール・カラヴァッジョはもう1・2点観たかったです。

個人的な趣向で語ってしまいますが、ドガフェルメールもモネも1点しか今回来ていませんでしたがメトロポリタン美術館には一般的評価の高い絵はもっと所蔵されていますので。

そこに不満があるならば「ニューヨークのメトロポリタン美術館に自分で観に行けばいいのでは?」と言われてしまいそうですが。そうですね・・・本当にいつか行ってみたいです。

 

「西洋絵画の500年」というとらえどころないテーマの通り、「メトロポリタン美術館にある名画を持ってきました」感は強く、これといった主張が無い企画展というのは観に行く前からわかっていましたが、展示する作品をある方向性に向けて絞りテーマ性をはっきり打ち出してくれたら良かった気がします。

 

ちなみに知り合いでニューヨークのメトロポリタン美術館に行ったことがある人は今回の「メトロポリタン美術館展」ではなく、新国立美術館内のお隣のスペースで展示されていた「ダミアン・ハースト展」に行っていました。正直いってYuubariもそちらを見た方が良かったかも。

 

消化不良感と満足感が入り混じる企画展でしたが、展示作の中でお目当ての作品がある方は足を運んでもよいのではないでしょうか。

ネットワークスペシャリスト試験 その24 令和4年 春季試験終了

本日、令和 4年のNW(ネットワークスペシャリスト)試験を受けてきました。

 

Yuubariは過去に5回ほど高度区分の情報処理試験を受けてきましたが(SC、SC、PM、SM、NWの計5回)、今回2回目のNW受験が高度試験で初めて午前1からの受験となりました。

それは午前1の免除が切れたからなのですが(そのいきさつについてはまだちょっと納得いっていないですが)、午前1から午後2までフルで受験すると本当に長時間に感じました。

早朝から夕方までの長時間の受験でしたが、PMやSMのときと違いNWは論述問題が無いので疲労度はそれほどでもなかった気がします。

 

ただ今回の試験会場が大学だったのですが、大学が会場のときにありがちな空調問題(今回は試験会場となったのは大学内の大講堂)がありました。端的に言えば試験会場がとても寒かったです。

 

今回は試験会場が大学ということで、嫌な予感がしたのでできるだけ防寒をしっかりしていきましたが正解でした(レイヤー重ねた上で、マフラー用意)。

重ね着して行って現地が暑かったら脱げばよいですが、薄着で行って寒かったらどうしようもないですからね。

ちなみに今回は厚着していっても最後まで寒かったですし、本当に寒すぎてペンを持つ手がかじかんでしまって記述問題の字がかなりのたうってしまいました^^;

このあたりはなんとかしてほしいと大学が会場のときはいつも思います。

 

さて今日の試験を軽く振り返ってみました。

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(午前1)

午前1の出題数は30問。

うち60%正解すれば午前1は合格なので18問以上正解すれば突破となります。

 

免除が切れても午前1を一度突破すれば再度2年間は午前1試験が免除されるので、ここは何としても突破したい。

逆に午前1で落ちてしまうと(合格点を取れないと)、ここで足切りされて自動的にそのあとの午前2・午後1・午後2が採点されず「貴重な日曜日、この日は一日無為に過ごしてしまった」と信じがたいほどの落胆を経験することになりますので、わりとしっかり用意しました。

 

高度の午前1は応用情報処理(AP)の午前問題80問の中から抜粋される30問なのですが、これがYuubariが想像していたより対策が厄介でした。

 

何が厄介だったかというと・・・・

 

・YuubariがAP試験を受験したのは平成29年春まで遡るのでAPの午前問題をほとんど覚えていない上に29春以降のAPの午前問題は一度も解いたことがない(今回の範囲で解いたAPの過去問は初見の問題ばかり)。

 

・AP午前と同じく条件の出題80問だったら48問正解で突破なので「最大22問不正解」でも合格。しかし高度情報の午前1は30問なので、最大で12問しか不正解が許されないことになります。1問あたりの重みがすごい。

 

・出題は30問だけど、出題範囲はAPの午前と同じなので結局AP午前対策と同じ分量の過去問を周回して勉強しないといけない。

 

・午前問題に力を入れても午後問題の対策にはほぼならないので、あまり午前対策に時間をかけたくないのに、午前2も含めて午前対策に時間を割かないといけない。

 

ということでした。

 

いろいろなサイトで調べた感じですと、高度情報の午前1は直近3回分の過去問は再出題されないようですが、令和3年の2回を除いて念のため3つ前の試験(令和2年秋)も含めて計7回分のAP午前の過去問を今年4月に入って問題演習回しました。

 

3回目でも解けなかった問題(解答を覚えきれなかった)はエクセルにまとめたうえで、問題と解答をスクショと撮って試験会場に行く途中で見直しました。

 

Yuubariが今回対策した範囲はこんな感じ。

  出ない 出ない 範囲? 重要 重要 重要 重要 重要 重要
  令和3 秋 令和3 春 令和2 秋 令和元 秋 平成31 春 平成30 秋 平成30 春 平成29 秋 平成29 春
1回目     4月1日 4月1日 4月2日 4月7日 4月8日 4月8日 4月9日
2回目     4月9日 4月10日 4月13日 4月13日 4月13日 4月13日 4月15日
3回目直前チェック     4月16日 4月16日 4月16日 4月16日 4月16日 4月16日 4月16日

 

今回Yuubariが周回した過去問の回数は7回分なのでそれほど多くありませんが(時間があれば10回分くらいは周回したかも)、どの回ももれなくすべての問題に瞬間的に正解できるようにしましたので、本試験でも再出題問題は落ち着いて対処できました。

 

令和4年度の本試験の結果は 30問中21問の正解でした。

※18問正解がボーダーなのでちょっと危なかったかも。

 

これで今後2年間の午前1の免除を獲得できたのでちょっと安心しました。

最低限の目標はクリア。

 

さらっと書いてますが午前1の対策・・・・本当に疲れました!

できることならば高度試験の合格という午前1免除のサイクルを続けてもう高度試験の午前1は二度と受けたくないです^^;

 

(午前2)

4択問題が25問題出題されて、15問正解すれば突破です。

去年NWの午前2は突破しているので対策方法も範囲の過去問もかなり覚えていますし、ここは特に負担に感じませんでした。

 

直近1年の過去問は再出題されないので勉強せず。

今年4月に入ってから令和1年から遡って10回分を3回解きました。

1回あたり25問しかないので、10回分でもあまり負担に感じず。

午前1と同じく1問も漏らさず全部瞬間的に正解できる状態までもっていきました。

 

Yuubariが今回対策した範囲はこんな感じ。

  範囲外 最重要 最重要 重要 重要 重要 重要 重要 重要 重要 重要
  令和3年 令和1年 平成30年 平成29年 平成28年 平成27年 平成26年 平成25年 平成24年 平成23年 平成22年
1回目   4月8日 4月8日 4月9日 4月10日 4月10日 4月10日 4月10日 4月11日 4月12日 4月12日
2回目   4月11日 4月11日 4月11日 4月11日 4月13日 4月14日 4月14日 4月14日 4月14日 4月14日
3回目直前チェック   4月15日 4月15日 4月15日 4月15日 4月15日 4月15日 4月15日 4月15日 4月15日 4月15日

 

令和4年度の本試験の結果は、 25問中20問の正解でした。

※15点正解がボーダーなのでちょっと余裕あるスコアでした。

 

誤差の範囲ですが、去年が19問の正解でしたので去年より1問正答個数が増えました。

 

(休憩時間)

いつものように、自宅から最寄駅に行く途中のコンビニでおにぎり2個、ペットボトルの水を1本、チョコレートを購入していたので休憩時間に食べました。

あまりにも試験会場内が寒かったので、食後に会場を出て大学内を軽く散策しましたがミッション系の大学でチャペル(礼拝堂)があり、それがとても素敵でしばらく見とれてしまいました。

脱線して恐縮ですが自分が結婚式を挙げたときのチャペルを思い出しました。

 

(午後1)

3問の大問のうち2問を選びます。

時間勝負なのでゆっくり選択する問題を吟味する時間もありません。

SCのときも、PMのときも、SMのときもいつもいつも高度情報処理試験の「午後1」には制限時間が厳しくて苦戦してきました。

今回は問1から3までざっと目を通して、問1はなんとかなりそうなのでまず問1を選択しました。

問2か問3かの選択ですが、問2を読んでいて「OSPF」という文字を見て去年の午後1問2の悪夢(OSPF問題の大苦戦)を思い出して、なんとなく問3を選択しました。

※あれから去年のOSPFの復習をしてOSPFの問題に関しては去年より自信はありましたが、なんとなくトラウマを感じて「OSPF」の文言を見て回避しました( )笑

 

(午後2)

午後2は大問2問の中から1問を選択して120分で解答します。

120分あるのでじっくり時間をかけてどちらを選択するか決めました。(といっても5分程度でどちらにするか選びましたが)。

 

去年は午後2問2のBGPとOSPFの複合問題に大変悩まされて結局午後2で合格点に届かないという結果に終わりましたので、ここはちょっと慎重に見比べました。

 

問1は時勢的にやはり来るなと思っていたテレワーク環境が題材の問題。

問1「鍵」や「クライアント証明書」という文字を見て、なんとなく回避して問2を選択しました。これでもYuubariはSC持ちなのですが、ちょっとこのあたり苦手というか細かい内容を忘れてしまって自信が無かったので・・・

 

問2ですが、SDNを絡めた環境移行の問題ですが、解いた雑感としては過去のNW過去問のこの手の問題と比べるととても素直でひねりが無い問題だったのでちょっと驚きました。

 

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今回は時間配分もうまくいって午後1、午後2ともほぼ完答しました。

※午後1問1の最後の計算問題が間に合わずにタイムアップで空欄になってしまいましたが。

 

Yuubariが今回選択した午後1と午後2の問題はこれまでのNWの過去問と比べても相当素直で解きやすい問題に感じました。

少なくとも去年(令和3年)の本試験で午後1問2、午後2問2を解いていてあまりの難しさに頭がキーンとするような悪夢は今年に限っては無かったです。

 

ただしこれが情報処理試験の落とし穴で、Yuubariが「解きやすい」と感じたということはほかの人も同じように感じたはず。

各フェーズで60%正答のスコアで合格とはいえ、毎年の合格率が著しく変動しないこの試験は相対試験であるとYuubariは確信しています。

その中で午後1と午後2とも足切りを抜けてきた人たちの上位に入らないといけないので(しかも高度はほとんどの人がAP合格済み)、合格は簡単ではありません。

 

ですがもうしばらく試験のことはさっぱり忘れて、育児に力を入れたり旅行やGWの遊びの計画を立てようと思っています^^

ネットワークスペシャリスト試験 その23 令和4年試験の1週間前

現在令和4年(2022年)の4月10日。

令和4年のネットワークスペシャリスト試験の1週間前になりました。

 

1週間前の現在の状況を確認しておきたいと思います。

 

―午前1試験について―

新型コロナウイルスの影響で一回分試験が延期されたこともあって、Yuubariは午前1免除を失ってしまいました。

高度情報処理試験の午前1は応用情報技術者試験(AP)の午前1から抜粋して30問出題されるそうです。足切りは60%なので18問正解すれば良いです。

 

Yuubariは本来午前1試験の免除があると思っていたので、午前1対策をするモチベーションはかなり低いのですが今年の4月に入ってから対策を始めました。

午前2と同じく過去問流用が多いので、ひたすらAPの午前1過去問を解く対策になるわけですが、Yuubariは令和2年秋から平成29年春まで計7回分をとりあえず過去問1周しました。

1年につき80問あるわけですからそこそこのボリュームですが、だいぶ前にAP受験生時代になんとなく見たことがある問題もあるのでまったり音楽を聴きながら解きましたのでそこまで苦痛ではなかったかも。

これから2週目に入りますが午前試験はもう暗記ゲームだと割り切って隙間時間に何週も回しておこうと思います。

 

―午前2試験について―

午前2も過去問周回暗記ゲームですが去年も対策したのである程度覚えていますし、何しろ対策する問題数が1年あたり少ないので(25問)試験3日前くらいにさらっとおさらいするくらいにしようと思います。

ここで時間を使うのはもったいないなと。

 

午前はこんなところでできれば午後試験対策に力を入れたいです。

 

 

―午後1試験と午後2試験について―

午後1試験と午後2試験については勉強の仕方がほぼ同じなのでまとめて書いてしまいますが、とにかく過去問を解いて理解を深めることに注力したいと思って対策しました。

過去問を解くのは今までと変わらないのですが、やりかたを変えました。

 

去年NW試験を受ける前の対策としては、本試験と同じ状況にするために時間を計って回答用紙に答えを記入すし、終わったら解説を読みながら答え合わせをするというやり方でした。

 

今回過去問を解くときは時間は計らずにできるだけネットワーク図やシーケンス図などをノートに記入しながら問題を解くことより理解することを重視した勉強に変えました。これは時間がかかりますがとても理解の深度が深い過去問の解き方だなと自分でも感じています。

過去問に記載されたネットワーク図を眺めていてもどうも頭に入ってこないですが、不思議と自分の手で書くと何倍も理解しやくなりました。

ただ難点は机に座った状態じゃないといけないので移動時などの隙間時間ではできないですね。

隙間時間は暗記に回したいと思います。

 

現在のところ3年分(令和3年、令和元年、平成30年)の午後1と午後2試験の過去問をこのやり方で解きました。

時間があればもっと過去に遡って過去問を解きたいですが、もうあと1週間もないので欲張らず知識や解き方の点検に努めようと思います。

 

 

―子育てとの板ばさみ―

子どもができてから資格試験の勉強は本当に困難です。

子どもが起きている間は「机に座ってノートを広げて午後問題を解く」ということはほぼ不可能になりました。

家で子どもを見ながら勉強するときはドットコムさんで午前の過去問を回すか、自分が以前まとめた午後問題の一問一答を見返すかくらいしかできません。

じっくり集中して午後問題を解くときは休日に家族に子どもを預けて外で勉強するほかないです。

でもこれは子どもが小さいうちは仕方がないことです。

ただあまり長期間それを続けてしまうと家族の負担となってしまいますし、なにより自分もできるだけ子どもが小さいうちは一緒に過ごしたいですし、これは本当にジレンマが尽きないですね。

Yuubariが家族の理解と協力を得て勉強の体制に入れるのはせいぜい試験前の1か月です。

 

自分に許されるのは1か月だと考えると、今回は最低限午前1と午前2を突破できれば良いかなくらいに考えて臨もうと思います。

フェルメールと17世紀オランダ絵画展 @東京都美術館

2020年初頭に新型コロナウイルス(Covid-19)の問題が生じてからYuubariは比較的混雑が予想される美術展に行くことをずっと避けてきましたが、3回目の予防接種を受けて体調も問題無いため東京上野の東京都美術館で開催されていた「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」に行ってきました。

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予想はしていましたが日本におけるフェルメールの人気はとても高いため、平日だったにもかかわらずとても混雑していました。

 

混雑を避ける意味もあって年休を取って仕事を休んで行ったのですが、そもそもWebであらかじめ日時指定してから行く方式になっているので平日だろうと休日だろうと混雑具合は変わらなかったかもしれません。

新型コロナの前は「美術展に予約して行く」という方式はほとんど記憶にないので(2018年の上野の森美術館でのフェルメール展で初めて予約して美術展に行きました)、良くも悪くも新型コロナの影響で今後は予約方式がスタンダードになりそうです。

 

さて、この絵画展ですが目玉はやはりフェルメールによるこの一作。

『窓辺で手紙を読む女』

※画中画のキューピッドがいるバージョン

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この作品は今年(2022年)以前にも過去2回日本で展示されたことがあるそうです。

今回で日本では3回目の展示になるのですが、Yuubariが本物を見るのは初めて。

過去2回の日本での展示は画中画のキューピッドは補修前(塗りつぶされた状態)でした。

フェルメールの死後、何者かが画中画のキューピッドを巧妙に塗りつぶしたのですが、ごく最近この絵を所蔵している美術館のキュレータにより塗りつぶしを除去されました。

 

フェルメールといえば『真珠の耳飾りの少女』が最も有名な作品ですが、画面左手の窓から陽光が差し込んでその光の中に佇む女性という構図の一連の絵も有名ですね。

この構図の現存しているフェルメール作品の最初の作品がこの『窓辺で手紙を読む女』になります。

 

『窓辺で手紙を読む女』も前々から素敵な絵だなとは思っていましたが、今回は何者かによって塗りつぶされた画中画(キュービッド)がキュレータによって洗浄されて現れた形で展示となりました。

「ぜひ画中画のキューピッドが現れたバージョンを見たい!」ということで観に行ってきました。

 

フェルメールが画家として活動していた同時期のオランダ絵画を中心として展示されていたこの展示会ですが、正直同時期のオランダ絵画でいえばフェルメール以外の画家を知らなかったYuubariにはあまり印象に残らない絵が多かったです。

オランダで絵が庶民の手の届く芸術となった(自宅に飾る)時期の作品なので、宗教的というより風俗的なわかりやすい作品が多かったですが、どうもフェルメールと比較してしまうと絵として惹きつける力が一段下がるように感じてしまいました。。。

Yuubariが勉強不足なだけなのでしょうけど。

 

さてさてお目当ての『窓辺で手紙を読む女』ですが、このエリアの付近だけは黒山の人だかりができていて残念ながらなかなか良いポジションで鑑賞することができませんでした。

しかしながら画中画のキューピッドがくっきり映った『窓辺で手紙を読む女』をなんとか目に焼き付けて帰ることができて、それはそれで目的は達成できたわけですがひとつ誤算がありました。

 

それは実際に観てみてYuubariの好みとしてはキューピッドが塗りつぶされた形の『窓辺で手紙を読む女』の方が良いかなと感じていることです。

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はっきり言って完全に個人的な好みで語って申し訳ないのですが、どうも画中画のキューピッド(愛の象徴)が存在していると絵としての主張が強すぎて(この絵の女性が読んでいる手紙がラブレターに他ならないという)、過剰に感じてしまうんですよね。

この絵に関しては画中画が無い方が全体的にすっきりしていて、手紙を読んでいる女性に目が自然とフォーカスされる気がします。

しかし、それはYuubariがもともとキューピッドが無いバージョンを画集や書籍などで見慣れているせいもあるかもしれませんが。

 

皆さんのご意見はどうでしょうか。

フェルメールとしてはもともとこの作品の中で画中画のキューピッドを描いているので、Yuubariのような単なる素人な美術ファンが作家本来の意匠にケチをつけるのも失礼極まりないとはおもいますが直接観て感じた感想でした。

 

そんなこんなで正直いえばこの展示会は自分としてはちょっと物足りない印象でした。

できればこの絵を洗浄して画中画が現れる様子をもっと映像とともに見せてほしかったです。キュレータの方の職人芸も体感したかった。

それと、欲を言えばもう1,2作フェルメール作品が見たかったところです。

 

しかし日本の美術関係者がフェルメール作品を海外のオーナーや美術館から借りることの難しさは、この本↓(『フェルメール 最後の真実』)を読んで痛感しましたので1作日本に来るだけでもとても大変なことだとはわかっているのですが・・・・

 

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ちなみに、この日は午前中にこの絵画展に行き、午後は同じ上野エリアにある東京国立博物館で開催されている『ポンペイ展』にも行ってきました。こちらも盛況で見どころはたくさんありました。

 

しかし本当に充実して鑑賞できたのは久しぶりに見た国立博物館の常設展示の方でした。

国立博物館の常設展はいつ行っても比較的観客が少ないので見やすいですが、特別展をメインで観に行くことが多いのでついつい観ないで帰ってしまうことが多かったです。

 

だいぶ久しぶりに国立博物館の常設展を見ましたが、Yuubariは小説、漫画、書籍などで以前より歴史に詳しくなったので展示されている物がよくわかりじっくり堪能できました。常設展だけでも膨大な量があるので閉館時間までにすべてを見ることができなかったのでまた行かないといけないです。

 

子どもを預けて丸一日を美術館と博物館での鑑賞に費やしたのですが、たまにはこういう日もあって良いですね。

Yuubariが最近ハマっている漫画5選(その10)

相変わらず Yuubariはなにかと忙しい日常の息抜きに漫画を読むことで癒されています。

日本では本当に毎月毎月物凄い数の漫画が発表されていますが、時間は有限なので取捨選択して自分好みの漫画を探すことで妥協しています。

この悩ましい妥協の中から選んだ Yuubariがここ最近注目している作品(既に話題になっている作品ばかりですが)を5つ紹介します。

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女の園の星』

女子高の男性教師が主人公なのに恋愛要素は皆無。女子生徒からみた男性教師の観察記録の味わいがある作品です。

この作品はシリアスな要素は皆無でどちらかというとコメディに近いジャンルに分類されると思いますが、無理に笑わせにくるわけでもなくとても自然体に女子高の様子を描いています。生徒と先生の絶妙な距離感が地味にリアリティがあり、あふれる日常感とそこからわずかに逸脱したシュールさがとてもYuubariのツボにハマりました。

決して派手ではない通好みのこういった漫画が『このマンガがすごい!2021』に選ばれるのは、漫画という表現方法の好みの多様性を感じさせてくれます、。

一般的にユーモアというのものは千差万別のセンスに由来するので、この作品も万人にオススメできる部類の作品では無いかもしれませんが好みにマッチするとスカッと笑える作品です。

和山やまさんの他の作品『カラオケ行こ!』『夢中さ、君に。』も独特な世界観の上に構築された個性の強い作品で、とても自分の好みに合って良かったです。

 

 

『作りたい女、食べたい女』

作品のタイトルにもなっていますが、主要な登場人物が両方が女性なのがポイントかなと思います。

かつて「私作る人、僕食べる人」というCM(女性が料理を担当し、男性がそれを食べる)が放送されてジェンダーの観点から大批判を受けてCM放送中止になった事件があったそうですが(昭和50年頃)、それから半世紀近く経ってとても自然な形で「料理を作るのも食べるのも女性」という形で受け入れられたと感じるタイトルに思えます。

でもね、このタイトルの何が良いかと言うと「作りたい」「食べたい」だから良いんです。

強制されているわけでもなく自分の自然な欲望として「料理したい(食べたい)」だからとても主役2人の関係がほんわか暖かく感じます。

読み進めるとわかりますが、この作品はとてもジェンダーの問題に根ざした作品であることがわかります。

といっても声高に日本における性差の問題を訴えるような作品ではなく、美味しい料理を食べながら不器用だけどとても自然な形でキャラクターがジェンダーギャップに悩む心情が吐露されるシーンが印象的です。

この部分については好き嫌いが別れるかもしれません。単純に料理漫画として期待して読んでいた読者がちょっと想像からはずれていくのですが 、Yuubari個人としてはお互いが素直に尊重し合える(それでいてもどかしい)関係にほっこりしています。

料理そのものを楽しむタイプの漫画ではないかもしれませんが(それでも美味しそうな料理がたくさん出てきてテンション上がりました)、「食」を通して癒しあえる関係はとても素敵だと感じました。

 

 

『青野君に触りたいから死にたい』

恋愛要素・ホラー・コメディが良い具合にブレンドされた不思議な作品です。

若くして死んでしまった恋人(青野君)が主人公の前に幽霊として現れ、序盤は幽霊との恋愛の模様が描かれますが次第時に不穏な展開になっていき驚きました。

夜中に一気読みしたのですが、日常が次第に霊に浸食されていく様子で可愛い絵柄とは裏腹にとても背筋がゾクッとするホラー描写がとても印象的でした。

ホラーといってもスプラッターな要素はあまりなく、どちらかというと精神的に迫ってくるような心理描写が見事でした。

特に恋人である幽霊の青野君の二面性の描写は圧巻です。物語が進むにつれて次第に幽霊の青野君の髪が長くなっていく描写は青野君の変貌を暗示していくようでとても気になりました。

恐怖だけではなく人が抱く家族を喪失した哀しみや愛の儚さ、他人から共感されない苦しさ、逆に無償の友情により救われる魂など「人間」という存在を幽霊を通して多面的に描いている読み応えのある個性的な素晴らしい作品でした。

 

 

『大ダーク』

宇宙を舞台に繰り広げられる壮大なバトル・・・ですが、絵柄からは信じられないくらいの「ユルさ」に驚くと同時に読み進めていくうちに不思議と癒されました。

林田球先生の『ドロヘドロ』のアニメ版を見て「こんな独特の世界観を表現している人がいるんだ」とショックを受けて、いま連載中の同じ作者さんの『大ダーク』を読んでみたのですが、期待に違わない個性全開の魅力的な作品でした。

奇怪な骸骨が相棒だったり(闇のニーモツ)、無数の宇宙人の遺体から骸骨を抜き取って素材として売ったり、わけのわからない宇宙人と身体がバラバラになるような血まみれの残虐なバトルが繰り広げられたり、とパッと見はとてもグロなのですが不思議なことに読み進めていくうちにキャラクターに愛着を感じ始めました。

そして「一体どこからこんな発想が生まれてくるのか?」という林田先生の爆発的なイマジネーションの力に圧倒されました。

この唯一無理の狂った世界観を作り上げる発想力と謎の面白さ!

ストーリーとしてどこに向かっていくのかはっきりわかりませんせんが、それでいて読んでいてとても面白いから凄いです。

Yuubariの中で「漫画を読んでいて面白いって思える感情はどこから来るのだろう?」という原初的な疑問がふと立ち上がってきましたが、そんな疑問がどうでもよくなってくるような荒唐無稽なユーモアが光る作品でした!

・・・でも読む人を選ぶ作品だとは言っておきます。

 

 

『たそがれたかこ』

入江喜和先生の作品は以前『ゆりあ先生の赤い糸』も紹介したことがありますが、こちらの『たそがれたかこ』もとても良かったのでお勧めしたいです。

『ゆりあ先生の赤い糸』と同じく中年女性が主人公(45歳バツイチ)。

思い通りにいかない人生で、いろいろな困難に向き合いながらもその中でも楽しみを見出して前を向き変わっていく姿がとても刺さりました。

後悔やコンプレックス、不登校気味の娘への負い目を抱えながらも近しい人々から励まされたり新しい楽しみを見出したり自分らしさを不器用に見出していくのですが、決してすべてハッピーエンドというわけではなくビターな終わり方をする描写もあります。

正直言って本当に世知辛い困難や心理的に辛い描写(精神的な意味で痛々しい)がたくさん描かれているので、もし自分中高生だったら読もうとも思わないし・読んでも共感もできなかったかもしれません。

そういう意味では読者のターゲットがだいぶ絞られてしまいますが、少しでも「私の人生ってなんだろう」と振り返って考えたことがある人は読んでいて共感して内省的な気持ちにさせられるかもしれません。それと同時に「何かを新しく始めるには無駄なプライドを取っ払えば年齢なんて大した枷(かせ)にはならないんだ」という勇気ももらえるかも。

人間の複雑な感情をとても丁寧にかつヘビーに描いた素晴らしい作品でした。

 

 

ほかにも最近読んだ作品としては『チ』や『ダーウィン事変』も社会派でとても読み応えがある素晴らしい作品でした。

漫画を読む時間が足りない!