折れない心

何度も敗北を味わってきた筆者が挫けずに試験勉強や語学を頑張ります。現在はAWS認定ソリューションアーキテクト[アソシエイト]に向けて対策を取り組んでいます。

フェルメールと17世紀オランダ絵画展 @東京都美術館

2020年初頭に新型コロナウイルス(Covid-19)の問題が生じてからYuubariは比較的混雑が予想される美術展に行くことをずっと避けてきましたが、3回目の予防接種を受けて体調も問題無いため東京上野の東京都美術館で開催されていた「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」に行ってきました。

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予想はしていましたが日本におけるフェルメールの人気はとても高いため、平日だったにもかかわらずとても混雑していました。

 

混雑を避ける意味もあって年休を取って仕事を休んで行ったのですが、そもそもWebであらかじめ日時指定してから行く方式になっているので平日だろうと休日だろうと混雑具合は変わらなかったかもしれません。

新型コロナの前は「美術展に予約して行く」という方式はほとんど記憶にないので(2018年の上野の森美術館でのフェルメール展で初めて予約して美術展に行きました)、良くも悪くも新型コロナの影響で今後は予約方式がスタンダードになりそうです。

 

さて、この絵画展ですが目玉はやはりフェルメールによるこの一作。

『窓辺で手紙を読む女』

※画中画のキューピッドがいるバージョン

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この作品は今年(2022年)以前にも過去2回日本で展示されたことがあるそうです。

今回で日本では3回目の展示になるのですが、Yuubariが本物を見るのは初めて。

過去2回の日本での展示は画中画のキューピッドは補修前(塗りつぶされた状態)でした。

フェルメールの死後、何者かが画中画のキューピッドを巧妙に塗りつぶしたのですが、ごく最近この絵を所蔵している美術館のキュレータにより塗りつぶしを除去されました。

 

フェルメールといえば『真珠の耳飾りの少女』が最も有名な作品ですが、画面左手の窓から陽光が差し込んでその光の中に佇む女性という構図の一連の絵も有名ですね。

この構図の現存しているフェルメール作品の最初の作品がこの『窓辺で手紙を読む女』になります。

 

『窓辺で手紙を読む女』も前々から素敵な絵だなとは思っていましたが、今回は何者かによって塗りつぶされた画中画(キュービッド)がキュレータによって洗浄されて現れた形で展示となりました。

「ぜひ画中画のキューピッドが現れたバージョンを見たい!」ということで観に行ってきました。

 

フェルメールが画家として活動していた同時期のオランダ絵画を中心として展示されていたこの展示会ですが、正直同時期のオランダ絵画でいえばフェルメール以外の画家を知らなかったYuubariにはあまり印象に残らない絵が多かったです。

オランダで絵が庶民の手の届く芸術となった(自宅に飾る)時期の作品なので、宗教的というより風俗的なわかりやすい作品が多かったですが、どうもフェルメールと比較してしまうと絵として惹きつける力が一段下がるように感じてしまいました。。。

Yuubariが勉強不足なだけなのでしょうけど。

 

さてさてお目当ての『窓辺で手紙を読む女』ですが、このエリアの付近だけは黒山の人だかりができていて残念ながらなかなか良いポジションで鑑賞することができませんでした。

しかしながら画中画のキューピッドがくっきり映った『窓辺で手紙を読む女』をなんとか目に焼き付けて帰ることができて、それはそれで目的は達成できたわけですがひとつ誤算がありました。

 

それは実際に観てみてYuubariの好みとしてはキューピッドが塗りつぶされた形の『窓辺で手紙を読む女』の方が良いかなと感じていることです。

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はっきり言って完全に個人的な好みで語って申し訳ないのですが、どうも画中画のキューピッド(愛の象徴)が存在していると絵としての主張が強すぎて(この絵の女性が読んでいる手紙がラブレターに他ならないという)、過剰に感じてしまうんですよね。

この絵に関しては画中画が無い方が全体的にすっきりしていて、手紙を読んでいる女性に目が自然とフォーカスされる気がします。

しかし、それはYuubariがもともとキューピッドが無いバージョンを画集や書籍などで見慣れているせいもあるかもしれませんが。

 

皆さんのご意見はどうでしょうか。

フェルメールとしてはもともとこの作品の中で画中画のキューピッドを描いているので、Yuubariのような単なる素人な美術ファンが作家本来の意匠にケチをつけるのも失礼極まりないとはおもいますが直接観て感じた感想でした。

 

そんなこんなで正直いえばこの展示会は自分としてはちょっと物足りない印象でした。

できればこの絵を洗浄して画中画が現れる様子をもっと映像とともに見せてほしかったです。キュレータの方の職人芸も体感したかった。

それと、欲を言えばもう1,2作フェルメール作品が見たかったところです。

 

しかし日本の美術関係者がフェルメール作品を海外のオーナーや美術館から借りることの難しさは、この本↓(『フェルメール 最後の真実』)を読んで痛感しましたので1作日本に来るだけでもとても大変なことだとはわかっているのですが・・・・

 

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ちなみに、この日は午前中にこの絵画展に行き、午後は同じ上野エリアにある東京国立博物館で開催されている『ポンペイ展』にも行ってきました。こちらも盛況で見どころはたくさんありました。

 

しかし本当に充実して鑑賞できたのは久しぶりに見た国立博物館の常設展示の方でした。

国立博物館の常設展はいつ行っても比較的観客が少ないので見やすいですが、特別展をメインで観に行くことが多いのでついつい観ないで帰ってしまうことが多かったです。

 

だいぶ久しぶりに国立博物館の常設展を見ましたが、Yuubariは小説、漫画、書籍などで以前より歴史に詳しくなったので展示されている物がよくわかりじっくり堪能できました。常設展だけでも膨大な量があるので閉館時間までにすべてを見ることができなかったのでまた行かないといけないです。

 

子どもを預けて丸一日を美術館と博物館での鑑賞に費やしたのですが、たまにはこういう日もあって良いですね。