折れない心

何度も敗北を味わってきた筆者が挫けずに試験勉強や語学を頑張ります。現在はAWS認定ソリューションアーキテクト[アソシエイト]に向けて対策を取り組んでいます。

システム監査技術者試験 その4 2022年秋試験まで残り1週間

現在令和4年(2022年)の10月2日。

Yuubariが受験する令和4年のシステム監査技術者(AU)試験の1週間前になりました。

 

ここでちょっと現在の対策状況を整理してみました。 

 

― 午前1は免除。今年4月のNW試験で頑張って免除を勝ち取って良かったです。

― 午前2については前々日くらいから過去問に取り組んでおこうと思います。(つまりまだノータッチです)

これまで7回受験した高度情報の経験から午前2は2日あれば間に合うと思ってます。

 

― 午後1は実際に3年分(令和3、2年,平成31年)過去問を解いて備忘録としてここにQ&Aをまとめておきました。

しかし過去問たった3年分だと午後1の過去問演習として物足りないので、こちらの本のシステム監査技術者午後1Q&A集を5周しておきました。

時間があればもっと午後1の過去問と向き合いたいですが(時間を計って過去問演習したい)、Yuubariの生活において3年分が限界でした・・・

 

 

 

― 午後2については5回ほど過去問を解く形で論述を書いてみましたが、書く回数を重ねるごとに書くべき内容がわかってきて書きやすくなってきました。

しかし毎年想定外のお題が出ている印象があるので、来週の本試験までにあと2-3本は論述を書く練習をしておこうと思います。

 

基本的な論述内容は

  •  システム概要や背景など
  •  リスクとそのコントール
  •  行った監査手続き

だと感じましたが、このパターンに当てはまらないこともあるので、論述を書き始める前のこの試験の骨子作成に慣れておく必要があると感じました。

 

本試験までにできるだけ過去問に向き合って練習論述を書いておきたいですが、費やせる時間も限られているので最悪書く時間がなければ過去問を読んで骨子を作る練習をたくさんしておこうと思います。

 

--------------------------------------------------------------------------

ちなみに勉強量で言えばYuubariが過去受験した情報処理技術者試験の対策な中では最低の量です^^;

子育てが忙しくて勉強に費やせる時間あまりなくて今回は勉強できなくても仕方ないと思っています。

 

システム監査技術者の過去問を解いていて「とても無理!受験するレベルには達していない!」と感じたことが無いのですが、これはもう高度情報処理試験を受けるのが7回目なので慣れの部分が大きいかもです。

 

受けるからには合格したいですが、この試験は満足に勉強時間を取れない状況で合格できるほどこの甘くはないでしょうね。

昔みたいに自分の使える余暇の時間をすべて試験勉強に充てるなんてことはもうできませんが、やるだけやってみたいと思っています。

システム監査技術者試験 その3 2022年秋試験まで残り1か月

早いもので2022年秋のAU(システム監査技術者)試験まで残り1か月を切りました。

ここまでの状況と試験日(10/9)までに済ませておきたい対策について考えてみました。

 

(午前1対策)

免除

※前回2022年春期のNW試験での午前1合格免除

 

(午前2対策)

今までの経験上で高度情報の午前2試験は試験日2日前から過去問を回すことで間に合うことがわかっているので、特に今は対策しません。

 

(午後1対策)

高度情報試験は午後1からが勝負。

過去問演習で対策しています。

逆に言うと過去問以外には手を付けないつもりです。

 

現在のところ、令和3年の(問1、2、3)・令和2年の(問1、2、3)・平成31年の(問1)まで終わっています。

あとは残り平成31年の(問2、3)を終えたらAUの午後1過去問演習は終わりにしようと思っています。

 

いつも高度情報試験のとき午後1は最低でも6年分は演習していたかと思いますが、今回は3年分でやめておこうかと。

理由は単純に勉強する時間が確保できないからです(;;

小さい子どもと過ごす時間を確保することを考えたら「午後1の過去問演習は3年分」というのが今回Yuubariが捻出できる最大限の試験対策時間です。

 

しかし午後1を3年分だけだとさすがに問題のパターン化を見抜いたりシステム監査の基礎知識が不足しそうなので、こちら↓の本のシステム監査の部分だけ切り抜いて持ち歩き、通勤のときなどに何度も目を通しています。

情報処理安全確保支援士(SC)のときの「即効サプリ」と同じ使い方をしています。

あいかわらず端折りすぎてわかりにくいQ&A集ですが、これを自分で作るのは大変な労力を要するのでありがたく使わせてもらいます。

 

(午後2対策)※システム監査の午後2は論文試験

午後2については全く手を付けていないのが怖いです・・・・

いや本当にそろそろ手を付けないと、と思っています。

午後2論述対策はめんどくさくて準備が大変で後回しにしてしまっています。

 

曲がりなりにもYuubariは過去に論述午後2試験があるPM(プロジェクトマネージャ試験)・SM(ITサービスマネージャ試験)に合格しているので、情報処理試験の論述の記述お作法についてはわかっています。

しかし左門至峰さんの著書『絶対わかる論文問題攻略法』によると、午後2論述について「システム監査技術者試験だけは異質」と述べられており「幅広い知識が必要である。論文ネタをたくさん準備する必要がある」とも書かれています。

合格した人の体験談でもみなさん同じようなことをおっしゃっているのでそうなのだと思います。

午後1の対策(過去問演習)はそこそこに切り上げて残りの時間は午後2対策につぎ込みたいと思います。

 

まずは、左門さんの受験者時代に書かれた合格復元論文を写経(書き写し)して自分なりにAU午後2では何が求められているかじっくり分析しようと思います。

その後AUの模範論文を何本か読んで書くべき内容が見えてきたら、実際に執筆を開始します。

できれば本試験までに5回は練習論文を書いておきたいと思います。

子持ちの自己研鑽の時間的制約

子育てが始まって1年半経過しました。

 

これまでもたびたび書いてきましたが小さい子と過ごすと本当に自由な時間が無くなることに気づきました。
子育てを除いて自分が自由に使える時間が日常の中で相当限られていますので、日常で自己研鑽の時間を捻出するのは本当に厳しい状況です。

 

この点について子どもを持つ前のYuubariの考えは相当甘かったと言わざるを得ません。
1歳児未満の赤ちゃんのときはどうしても常に見ていないといけないので、自由な時間が取れないのは仕方ないと思っていました。
1歳を超えたら一人遊びできるようになるのである程度時間ができるかな?と思っていましたが、この見通しは大甘でした(^^;)

 

平日仕事を終えて帰宅すると・・・・
・食事を与えたり
・保育園の荷物や連絡帳を記入したり
・お風呂に入れたり
・絵本を読んであげたり
・寝かしつけをしたり

と配偶者と一緒に協力してはいますが、やらないといけないことは枚挙にいとまがありません。

 

そうでなくてもとにかく家に子どもがいると常に「かまって!あそんで!絵本読んで!」と関りを要求されるのでとても勉強どころでは無い状況です。
子どもが起きているときにテキストや過去問を広げようものなら、あっという間に子どもに奪われてびりびりに破かれてしまいます(これは全く想定外でした)。
むしろ1歳を過ぎて子供が赤ちゃんだったときよりやることが増えて時間が自由にならなくなった印象です。

 

そんな中Yuubariはいろいろ自己研鑽を模索してきたわけすが、残念ながら昨年から結果らしい結果が出ていません。
情報処理技術者試験のNW(ネットワークスペシャリスト試験)は2年連続で不合格でしたし、昨年合格できた資格試験はAWSクラウドラクティショナーだけです。
今年(2022年)は10月に情報処理技術者試験AU(システム監査)を受験しますし(申し込み済み)TOEICもそろそろ受けないといけないと思っているのですが、結果に関しては厳しいことになるだろうといまから想像しています。

 

確実に言えることは今のままでは絶対に良い結果は出ないので、子育ては子育てで第一優先としつつなんとか日常の中で自己研鑽する時間を作りたいということ。
改めて自己研鑽に充てられて時間を見直してみました。


1. 昼休みに30分勉強する
お昼ご飯は大体30分で食べてしまいますので残りの時間は本を読んでいましたが、これからは資格試験の勉強時間に充てたいと思います。

 

2. 通勤時間に勉強する
通勤電車に往復で計1時間乗っていますが疲れた脳に鞭打ってでも資格試験の勉強時間に充てたいと思います。
(本当は読みたい本を読んでリラックスしたい)

 

3. 夜、子どもが寝てから(21時以降)に1時間勉強する
昼寝の時間が長いと寝かしつけが全然うまくいかずに寝てくれませんが、うまく寝かしつければ21時に子どもが寝てくれます。
それから1時間勉強タイムを作りたいと思います。
もし子どもが21時に寝てくれなかったら・・・その日は勉強は諦めます。

 

4.  夜22時に寝て朝6時に起きて1時間勉強する
寝る前に本・漫画を読んだりNintendo Switchでゲームをすることが日常でのちょっとした息抜きでしたが、最近はそれらを断って22時に寝てしまうことを心掛けています。
朝は以前から7時に起きるのですが、さすがに22時に寝ると少しずつ早起きできるようになりました。
最近6時前には目が覚めるようになってきたのは良い傾向かなと思っています。
疲れている日は22時に寝ても起きるのも7時だったりしますが(9時間睡眠!)、そのときは勉強は諦めます。

 

とにかく日常の中で自分が本当の価値を見出せない惰性で行っていること(SNSや目的の薄いネットサーフィン、ゲーム)を無くして有意義と思える時間の使い方を徹底したいと思います。
ストレスで潰れないように息抜き的なリフレッシュは必要かもしれませんが、Yuubariのような凡人が子育てと仕事をしながら何かを達成するならばちょっとした何かを犠牲にしないといけないのかもしれません。

ネットワークスペシャリスト試験 その25 令和 4年(2022年)春期 ネットワークスペシャリスト試験の結果

完全に失念していましたが、 令和 4年(2022年)春期 ネットワークスペシャリスト試験の結果が出ていました。

以前は試験結果発表の日を忘れるということは無かったのです・・・・

 

さて令和3年(2021年)に続くYuubariの ネットワークスペシャリスト試験(NW)の結果ですが

 

 

残念ながらこの通り去年に続き今回も不合格でした。

 

やはりこの試験はYuubariにとって格別難しい。

YuubariがIPAの高度情報で同じ試験で2回連続で不合格だったのは初めてですが、今回もスコア的には完敗という結果でした(午後2試験が13点足りない)。

 

試験を受けた手ごたえとしては昨年のネットワークスペシャリスト試験より悪くなかったですが、今回も午後2で合格点に達することができ不合格という結果でした。

 

この試験は合格するまで受験し続けるつもりなので、もちろん来年も受験します。

とりあえず今回の敗因と改善すべき点を考えて次回に繋げたいと思います。

 

―敗因分析と今後の改善すべき点―

 

(試験勉強スタート時期について)

最も大きな原因は勉強不足(勉強時間が足りなかった)かと思います。

まず去年も同じ状況でしたが、2年前から子育てがスタートして圧倒的に勉強できる時間が減りました。

これを言っては今後子どもがある程度一人遊びできるくらいまではずっと続くのでどうにもならないのですが、反省点としては今回は試験勉強をスタートする時期が遅すぎたかもしれません。

自分の記録によると今年の2月にネットワークスペシャリスト試験の過去問を解き直し始めたようです。

ネットワークスペシャリスト試験は今年が2回目の受験なので、過去に1回目の受験のために過去問を解いたり知識を補強していた知識的財産があるので、今年はやや遅めの対策スタートとしてしまっていました。

家族に許可を得て勉強に集中する環境を取り付けてもらう時期が2月頃から試験のある4月後半までだったので仕方ありませんが来年はもう少し早めに、できれば年始あたりからネットワークスペシャリスト試験の勉強(主に過去問演習)をスタートしたいと思います。集中して試験勉強を開始する時期が早ければ早いほどたくさん過去問を解いて力をつけることができるので当然ここは考えが甘かったと言わざるを得ないです。

ここはなんとか家族の理解を得られるようにしないといけないのですが。

 

(午前1対策に時間をかけてしまった)

Yuubariの勘違いで午前1免除は失ってしまっていて、今回は午前1試験からの対策となりました。

これが想像以上に大変だったのですが、応用情報技術者試験の午前試験の過去問を遡って7年分完璧に仕上げる(間違わずに正答できるようになる)までかなり時間をかけてしまいました。

特に試験2-3週間前の大事な時期に午前1免除があれば本来やらなくてよい対策に時間をかけざるをえない状況だったのが痛恨でした。

今回午前1は通過できたので、あと2回分のネットワークスペシャリスト試験の午前1免除が獲得できました。

もしこの午前1免除の効力が切れてまだネットワークスペシャリスト試験に合格できていなければ、秋試験を使って午前1の免除だけ取っておきネットワークスペシャリスト試験は午前1の対策をしなくて済む状況にしておこうと思います。

 

(過去問の取り組み方が甘かった)

ネスペシリーズを使ってYuubariは過去問演習を行っていますが、今振り返ってみると解いた問題について100%はネットワークスペシャリスト試験の過去問を理解できていなかったなと思います。別の言い方をすると解いた過去問を自分の中に完全には落とし込めていかった。

 

通勤や昼休みの時間にネスペシリーズを読んでいたのですが、字面だけ追ってぶつ切りに解説を読んでもメモリの小さいYuubariの頭では理解しきれていませんでした。この試験については隙間時間に過去問演習を行うことは向いていないかもしれません。

 

途中から過去問演習のやり方を変えて、午後1・午後2の問題演習を行うときに問題分にネットワーク図や設定表があっても自分で紙に図や表を手で書きながら解くようにしましたが、このやり方は自分の性に合っていたようで、各段に午後1・午後2の過去問題が理解できるようになりました。

途中で気づいたのですが、次回は最初から過去問に取り組むときこのやり方で過去問演習を行いたいと思います。

 

(どう対策してよいのかわからない点)

これまで反省点と考え得る改善点は書いてみましたが、どう考えてよいかわからないのが今年も去年も午後2で大幅に合格点に届いていない点。

 

2021年の結果― 午後1:60点/午後2:44点

2022年の結果― 午後1:63点/午後2:47点

 

午後1も合格点(60点)ぎりぎりクリアなので、場合によっては午後1で今後足切りされる可能性がありますが、ここ2回とも午後2の点数が2回とも振るわないんですよね。

NWにおける午後1と午後2の違いが正直いまいちわからないです・・・

午後1より午後2の方が長文でひとつのケースを深堀りしていることは感じますが、問題の難易度は決して午後1の方が簡単というわけでもないんですよね、Yuubariにとっては。

午後2だけ特化した対策はネットワークスペシャリスト試験に関しては無いと思っていますが、これまで通り午後1と午後2両方の過去問を解き続ける形で良いのですかね。

 

(不合格ではあったものの得たこと)

なんといっても対策が大変だった午前1を今回突破したことですかね。

これで2年間午前1の免除が有効になりますので大きいです。というか二度と高度情報試験の午前1は受けたくないです^^;

今年の秋はシステム監査技術者試験を受験する予定なのですが、今回午後1を突破できたことで秋試験がこの点においてだいぶ負担が減ったということは間違いないです。

 

また、自己研鑽・仕事に役立てるという意味ではネットワークの勉強はずっと続けなくてはいけないと思っているので、たちはだかる目標としてネットワークスペシャリスト試験が今後も鎮座しているのはネットワークの勉強のモチベーションとなってくれるとポジティブに考えることにします。

Yuubariが最近ハマっている漫画5選(その11)

Yuubariは漫画を読む方法がここ10年でだいぶ変わってきました。

学生の頃は漫画を読むのは紙の本オンリーでしたが、いまは電子書籍(アプリ含む)と紙の本が大体半々くらいです。

持ち運びもお手軽な電子書籍も良いですが、紙の手触りや感触が好きなのでお気に入りの作品はできるだけ紙の本で読みたいです。

 

----------------------------------------------------------------------------------

 

『血の轍』

優しくて美人な母は実は心に大きな闇を抱えていて、その母に共依存のような形で育てられた少年の悪夢のような現実と葛藤を描いた作品です。
一言で「毒親」と切り捨てることができないような複雑に歪んだ母性と共依存、そして放棄という過程をとある事件をもとに圧巻の迫力で綴られていきます。
現在12巻まで読みましたが本当の意味で衝撃作でした。

 

読んでいる読者まで病みそうな毒の強い作品ですが、非常に丹念にかつ生生しくときには観念的に描かれていて、もはやYuubariはこの作品に文学や絵画の持つ芸術性すら感じました。

特に主人公の視点からみた世界の描写が圧巻で、たとえば主人公が自分を支えてくれる存在を失って心が壊れたときの風景はゴッホの風景画のような歪曲した空だったり、夢か現実かはっきりわからないような意識の中で現れる幻の母は禍々しくも神秘的な虚像の描写でしたり、単純に絵として表現力が突出していて圧倒的な描写力に引き込まざるを得ませんでした。


漫画家の浦沢直樹さんがMCを務める「漫勉」というTV番組で作者の押見修造さんがゲストととしてフォーカスされて作画風景が紹介されていましたが、スクリーントーンを一切使わず妥協が一切ない独特の作画作業がクローズアップされており、描画に関しては相当計算されていることがよくわかりました。
作中でメタファーも多用され、夢の中で精神的に行き詰った主人公の口に蛾が入り込む描写などは気持ち悪さよりもの悲しさを感じます。
主人公の心の変化が描画のタッチや表現に大きく反映されるという手法はとても興味深いですね。

 

作画についてばかり述べていますが、ストーリーもとても練られていて先が読めない展開に驚かされました。
過保護気味にあった親から少年への関係が少年に恋人ができることによってこれまでの相克が崩れて対決構造になったり、ある犯罪行為により心理的に追い詰められていく様子などはサスペンス要素も見逃せません。

だいぶ前に読んだ萩尾望都さんの『残酷な神が支配する』という作品を思い出しましたが(この作品も親子の歪んだ関係を描いた物凄い圧の強いイチオシ作品です)、親によって心が踏みにじられた子供の描写は本当に読んでいて心が苦しくなります。
人間の内面の苦しみと犯罪事件と結びつけるサスペンス的な展開ははるか昔学生時代に読んだドストエフスキーの『罪と罰』も思い出しました。

 

主人公の心の苦しみと悪夢のようなストーリー展開に翻弄されて、Yuubariは漫画を読んでいてひさしぶりに手汗が止まりませんでした。

「読んでいて楽しい作品」ではないので誰にでもおススメできるかどうかというと難しいところですが、ひとつの表現方法として漫画がここまで観念的な高みに昇華されたことにいち読者としてとても衝撃と感銘を受けた作品でした。

 

 

 

『スキップとローファー』

中学校の同級生が数名しかいない地方から、高校進学を機に東京に上京してきた主人公女子(みつみちゃん)の高校生活を描いた作品。
地方から都心に出てきて都会の華やかさに心躍りながらもギャップを感じたり成長していくという話は実際にもよくありますし漫画や小説・映画でもよく登場します。
アニメ映画『君の名は』でもそういう要素が序盤にありました(「上京」ではなく「入れ替わり」でしたが)。

 

この作品『スキップとローファー』も地方と都市の学生生活のギャップに戸惑いながらも主人公の女子が芯をしっかりもって前に進んでいきます。
好感を持てるのは地に着いた現実味のある高校生活を描いていること。
高校生活が過剰にキラキラしすぎていないし、かといって人間関係がドロドロしすぎているわけではない等身大の高校生活が描かれています。
いきなり恋愛模様を見させられるわけでもなく、ひとりひとりがコンプレックスや悩みを持ちながらもゆっくり前に進む姿に共感を感じました。
主人公のみつみちゃんは決して美人ではないし要領が良いわけでもないのですが、とても素直でポジティブ。
そんな主人公に周りのともだちも次第に良い方向に影響されていく情景が本当に愛おしい。

 

 

 

『ひらやすみ』

都内(阿佐ヶ谷)の年季の入った小さな平屋の家を知り合いのおばあさんから貰い受けたフリーターのアラサー主人公がいとこの美大生とのんびり過ごす日常を描いた作品です。この作品はとても癒し力が強い作品です。

疲れているときに読んでほっとしました。

 

人物描写が丁寧でどの主要なキャラクターはみんな好感を感じました。
定職に就かずのんびりフリーター生活を満喫しているアラサーの主人公(ヒロトくん)だったり、不動産の会社社員として忙しく毎日働いて一人の生活を満喫しているようどこか張りつめている糸を緩めたいアラサー女子(よもぎさん)、都会の大学生活に馴染めなくてうらぶれているけど漫画家になる夢がある美大生(なつみさん)など人物描写がとても優れていてキャラに厚みがあります。

 

人はみな裏と表の顔がありますが、それを作中の出来事を絡めながら肩肘張らずにとても効果的に表現していて読んでいて気持ちが良いです。
ストーリー上で気になるのはのんびりマイペース主人公と心の余裕がない不動産屋さんのよもぎさんとの関係。忙しく働いている不動産屋さんの女子からみると、どうみても主人公はモラトリアム人間
対象的な生活様式なので反発(よもぎさんが一方的に怒りをぶつけている)するのですが、よもぎさんの反発の中に「わたしもこんなまったりした生活したいな」というかすかな憧れのような気持ちが透けてみえるのが面白いです。
いつの頃からか「癒し」が生活の中で求められるようになりましたが、ちょっと小休止したいときに読みたい作品です。

 

 

『かげきしょうじょ!!』

はじめにお伝えすると「過激」ではなく「歌劇」のお話です。

Yuubariはまだ既読が4巻までなのですが(現在刊行されているのは既刊12巻)、途中まで読んでいて印象に残った作品なので取り上げてみました。
架空の音楽学校(専門学校)を舞台にした歌劇に取り組む生徒たちを描いた作品ですが、読めばわかるかと思いますが宝塚音楽学校がモデルになっています。
宝塚歌劇団に入団するためには宝塚音楽学校を卒業しないといけない(ですよね?)のですが、この専門学校で生徒たちはミュージカルや声楽・演技などを学びタカラジェンヌとなっていきます。
そのタカラジェンヌの卵たちの生活にフォーカスした作品ですが、一般的な学校とは全く異なる特殊な世界の話なのでとても興味深く読んでいます。

 

毎年ニュースでも合格発表の様子が報道されていますが宝塚音楽学校に入学することは本当に難しい。
劇団の演劇の学校でトレーニングを積んで初めて受験することができますが、とても狭き門となっています。
Yuubariの遠い親戚で数年前宝塚音楽学校に3回目の受験で合格した人がいましたが、入学前に彼女が出演したミュージカルを観たことがあります。
舞台の上で輝いていた彼女の演技力やカリスマ性をもっても一度では合格に至らなかったので本当に厳しい世界なのだなと感じました。

 

話を『かげきしょうじょ!!』に戻しますと、その宝塚音楽学校の生徒たちはひとりひとりが独特のバックグラウンドを持っています。
登場するメインの生徒はもともと劇団で活躍していた人や元アイドル・伝統芸能の経験者などなど。
こうした個性ある生徒たちが未来のタカラジェンヌとなるべく真剣にミュージカルに取り組み切磋琢磨する様子に宝塚ミュージカルにとても興味が沸きました。観に行かねば!

 

 

ぼおるぺん古事記

こうの史代さんの作品といえば、アニメ映画になった『この世界の片隅』や実写映画化している『夕凪の街 桜の国』が知名度がありますが、Yuubariは『長い道』『ぴっぴら帳』や『さんさん録』なども好きですね。市井に生きる人を瑞々しくも暖かく描く作風が好きで昔からYuubariはこうのさんの作品を愛読してきました。

 

ぼおるぺん古事記』はこうの作品の中でも異色で、日本の神話である古事記をこうのさんがボールペンで書いた漫画です。
全編がボールペンで書いてあるからこそ出る素朴な味もあると感じました。
デジタル作画どころかスクリーントーンすら一切つかわずに手作業で細やかに古事記を描く執念を感じました。

 

最近改めてこの『ぼおるぺん古事記』を再読しました。理由は近々伊勢神宮に行く予定があるからです。
伊勢神宮古事記の中でも非常に重要な役割を担う天照大御神を内宮で祀っていますし、神宮周辺には猿田彦神社月夜見宮など古事記というか神道ゆかりの神社がたくさんあるので本書で古事記をおさらいしようと思いました。


古事記』をテーマにした学習漫画はたくさん出ていますが多くが子ども向け。
ぼおるぺん古事記』のように古事記を最初から登場する神々を省略せずに描いた漫画は珍しいと思います。

ただし、『ぼおるぺん古事記』の(一)・(二)・(三)の三冊で綴られるのは古事記の上巻である神代編まで。中巻・下巻で綴られる人代編はカバーしていないです。

ですので、有名なヤマトタケルのエピソードなどは『ぼおるぺん古事記』では登場しない。

古事記は人代編も面白いので、ぜひこうの先生に人代編も描いてほしいなと思います。


古事記では膨大な数の神々が登場しますが。こうのさん流のイメージを膨らませて描かれている神々がとても愛嬌があってクセになりました。
あの荒ぶるスサノオノミコトですらどこか憎めない描写です。古事記に登場する神々はもともとがとても感情豊かで人間味を感じますが、そのあたりをとても巧みにこうの流に絵として落とし込んでやさしく表現していると思います。


ちなみに古事記を現代語の口語で活字で読みたい方にはこちらの本がおすすめ。

とてもわかりやすくて古代史専門の歴史学者の方が書いているので注釈もしっかりしています。

Yuubariは以前にこちらの本を読んで古事記を知りました。

 

古事記を知ると神社に行ったときに祀られている神様の名前や来歴がわかるようになるので一層神社めぐりが楽しくなります。
日本人なら古事記を知っておいて損はないと思います。

システム監査技術者試験 その2 過去問演習(午後1)のメモ帳

ネットワークスペシャリスト試験(NW)のときにも演習で解いた過去問をQ&Aで自分なりにまとめましたが、システム監査技術者試験(AU)でも同じことをしたいと思います。

勉強したことをWebに残しておくと出先でもどこでも読めるので便利なので(自分にとって)、メモ帳代わりに過去問を解いて答え合わせをしたらどんどん追加したいと思います。

 

今のところ令和3年、令和2年、平成31年の3年分の午前1のQ&Aしか過去問を解く予定しかありません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(令和3年過去問より)

 

午後I

問1

(覚えておきたい出題パターン)

・「監査要点」としてはAI(新システム)の導入目的や利用範囲について、経営層が判断、承認しているかを確認したい。この点について「監査手続き」としては行うことは?

(ヒント)

・本文中で「議事録」という言葉は出ていないが「経営会議」「審議」「経営層が承認する」は記載あり。

(解答)

経営会議などの議事録を閲覧し、経営層によって十分に審議され、承認されているかを確かめる。

 

「監査要点」としてはPoC(新システムの概念)の計画と実施は適切に行われているか。この点について「監査手続き」として行うことについて【計画】と実施について行うことは何か?

【計画】

(ヒント)

・本文中で「PoC計画書」「評価基準」「終了基準」の記述あり

(解答)

PoC計画書を閲覧し、目的、結果の評価基準、終了基準の記述があることを確かめる。

実施

(ヒント)

・本文中で「PoC評価書」の記述あり

(解答)

PoC評価書を閲覧し、結果の評価や終了の判断についての記述を確かめる。

 

・システム本番移行工程について問題がある。本番運用において期待効果が得られない可能性がある。その問題とは何か。

(ヒント)

・本文の記述に「本番移⾏⼯程では時間が限られ,直前のテストエ程では結果が評価されることから,学習データと教師データの量を6か⽉分に増やして学習だけを⾏い,本番運⽤を開始する。」と書かれており、本番移⾏⼯程では学習だけを⾏い、結果の評価を⾏っていない。

(解答)

学習後に結果を評価しないで本番移⾏してしまうという問題

 

・オペレータ教育について、教育内容や実施計画が不十分と監査が指摘。その理由は?

(ヒント)

・本文には「結果の正しさや利⽤可否をオペレータ本⼈が判断すべきであることを教育する必要がある。その際,オペレータ教育の内容や実施計画の妥当性を事前に考慮することが重要である。」と書かれている一方、「開発概要書には,オペレータ教育について,“現⾏のマニュアルの中で操作⽅法が変更になる箇所だけを更新し,業務の繁閑を考慮しながらオペレータを教育する”と記述されている。」と書かれている。

(解答)

AI の特性の教育や,結果の正しさや利⽤可否を判断する教育の予定がないから

 

問2

(覚えておきたい出題パターン)

・プロジェクト運営委員会のメンバと’’システム投資規定’’の決済権限者とが整合しているかどうか(企画段階での体制の妥当性)について、監査部が確認しようとしている内容は何か?

(ヒント)

・本文に「予算額に応じた決裁権限者などが定められている。」と書かれている。これとプロジェクト運営委員会の関係を問われている。本文導出型問題。

(解答)

予算規模に応じた IT 投資の責任者がプロジェクト運営委員会のメンバとして参画しているか

 

・検討しているシステム再構築の再構築方法は3パターン(リホスト、リライト、リビルド)の中から検討中。コストに関する要件で選定を行いがちだが、リスク(=ビジネス目標に合致しないシステムになる)に対するコントロールが適切に検討されているかについて監査部が確認しようとしている具体的な内容は?

(解答)

再構築⽅式を⽐較検討した際の評価項⽬に,ビジネス⽬標の視点があること

 

・システム再構築時の設定工程で顕在化する可能性のあるリスクを答えよ。

(ヒント)

・現行システムの業務機能の全体を把握している従業員がいない

(解答)

現⾏システムの要件を熟知している者がいないので,仕様を適切に確定出来ない。

 

・システム再構築時のテスト工程のリスク(=テストが計画どおりに進捗せず、品質低下やスケジュール遅延を引き起こす)を引き起こす要因として考えられることは?

(ヒント)

・現行のシステムの業務機能の全体を把握している従業員がいない。保守用のドキュメントが不足している。それに対するコントールは「残すべき現行機能を明確にして合意を得る」

(解答)

業務要件が明確でないので,要件を充⾜しているかどうかのテストが出来ないこと

 

・新しいシステム基盤であるクラウドサービスに対して監査部が確認しようとしていることは?

(ヒント)

・本文にヒントはなし。完全に知識問題。

(解答)

セキュリティ,障害設計などの⾮機能要件の実現性が検討されていること

 

問3

(覚えておきたい出題パターン)

結合テストの品質評価結果で、「不良密度が基準範囲を下回っているが品質は問題ない」と報告されていた。しかし問題ないという理由がテスト項目数が十分であることとされているが、監査は不十分と判断した。その理由は?

(ヒント)

・本文の参照個所のやや後ろに「テスト密度は基準範囲内にあること、テスト項目はエラーケースも含めて質的に十分であること」と記載されている。

ここから抜き出す。当該システムの記述よりやや後ろに抜き出す場所があるから見つけにくいけど、「量が足りてて不足しているとしたらほかに何が不足してる?」と考えて答えを導きだしたい。

(解答)

テスト項⽬の質が⼗分であることが評価されていないから

 

・生産管理システムで発生した課題について、システムテストに向けて適切に対応が行われているかどうか確認したい。そのための監査手続きを監査証拠も含めて述べよ。

(ヒント)

・監査証拠として、システムテストに入る前の資料としては本文に書かれている「課題管理表」が該当する。それプラス、ヒアリングで出てきた生産管理システムの結合テスト時の問題である「マスタデータ作成のミス」に対しての「対応内容」「対応期限」の記述を絡める。いろいろな個所の複合の抜き出し問題なので100%回答するのは難しいと思う。

(解答)

課題管理表を閲覧し,マスタデータの作成ミスの再発防⽌策の内容と対応期限を確かめる。

 

・生産管理システムの品質評価結果に記載されている類似不良の品質向上策に関して、財務会計システムは他業務ともインターフェースがあることからプロジェクトとしての対応が適切かどうかを確認するが、このとき何を確認する?

(ヒント)

・「プロジェクトとしての」の意味を読み取れるかどうか。ここでは「生産管理だけでなく他システムの開発でも」という意図だということを汲み取りたい。

(解答)

類似不良点検について,開発チーム問で情報共有されているか

 

・購買管理システムと生産管理システムとのインターフェース機能の残課題について、その後工程のテスト(システムテスト)でのリスクを低減するための改善提案の内容を答えよ。

(ヒント)

・本文を読むと購買管理システムのプログラムの修正があり、その修正後のテストが、後工程のシステムテストに持ち越されそうなのはわかった(「プログラム修正とチーム内のテストは完了済。生産管理システムと接続させての確認はシステムテストで実施予定」という記述)。

ここについて本文を読んでいて違和感を感じた。それを解答として表現したい

(解答)

システムテスト開始前に購買管理システムと⽣産管理システムとの疎通確認テストを実施すること

 

・「準委任」に該当するシステムテストフェーズで問題になりそうなプロジェクトの体制について確認すべきことは?

(ヒント)

・易しい問題。システムフェーズが準委任であること・C社システム部がシステム開発のノウハウが不足していることは本文から判断できる。リスクになりそうな要素は読みながら本文に目印をつけておきたい。

(解答)

C社システム部及び利⽤部⾨が主体的にシステムテストを実施する体制を確保できるか

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(令和2年過去問より)

 

午後I

問1

(覚えておきたい出題パターン)

・品質管理部や保守サービス部門でDX推進の制約となっている状況に対応しないといけない。この状況への対応として本調査で確認することは?

(ヒント)

・「制約」としては両部門とも現在のシステムでは分析用のデータ取得ができない状況

・既存のシステムを再構築するための''システム再構築計画''が進んでいる

(解答)

分析に必要なデータが取得できるように''システム再構築計画''を見直していること

 

・製品部門では新技術を利用してPoCを実施する(仮設をもとに施行して、PoCを実績とする)。しかし、新技術の利用そのものが目的となると業務、ひいては経営にとって役に立つ結果が得られないリスクがある。そのリスクが低減できているかどうかを監査するための具体的な監査手続きを述べよ。

(ヒント)

・PoCの前提としては活動テーマに即した仮説が設定されているかどうかが条件。

・PoCの実績は「PoC報告書」である。

(解答)

PoC報告書を閲覧して、活動テーマに即した仮説が設定されているかどうか確認する。

 

・DX推進のための人材を確保するための施策の実施状況を確認したい。人事部門を対象にした監査を行うための具体的な監査手続きを述べよ。

(ヒント)

・人事部は社内の人材として求める人材像を明確にする方針のもとに「人材類型定義書」を作成している。

(解答)

人材類型定義書を閲覧して、DXに必要な人材が明確になっていることを確認する。

 

・DX推進のためにはデータ活用が必要。データの収集・蓄積・活用のための責任と権限を定めたルールの整備が必要。そう考える理由は?

(ヒント)

・他部門のデータを活用したいニーズが大きい一方、他部門へのデータ提供可否の判断やデータ内容の正確性や網羅性について責任や権限が不明確な状況

(解答)

・他部門のデータを活用するための責任や権限を明確にする必要があるから。

 

・DX推進プロジェクト(DX-PJ)の進捗状況を把握しないと、活動目標がどの程度達成できているかあいまいになるリスクがある。そのリスクに対応できるかどうかの監査を行うための具体的な監査手続きを述べよ

(ヒント)

・DX-PJは各部門の代表者により毎月定例会が開催され、その際に進捗状況を確認している

・プロジェクトの進捗の指標としては、この会社では「進捗管理指標」が設定されている

(解答)

DX-PJ定例会の議事録を閲覧して、進捗管理指標が明確かどうかを確認する。

 

問2

(覚えておきたい出題パターン)

・R社では監査対象のシステムの選定には、各システムの「機密性」「完全性」「可用性」についてのリスクの評価をもとに行う。しかし、新社長としてはこの基準だけでは本来監査の対象とするシステムを外してしまう懸念がある。監査対象の選定方法はどのように見直せばいいのか?

(ヒント)

・一般論で解答の「あたり」をつける。本文中で明確なヒントは薄い

・新社長は方針としてITに関して新技術を経営戦略として導入したい意向

(解答)

戦略的重要度の観点も追加して対象システムを選定する。

 

・開発プロジェクトの監査において、今までは開発工程の終了時の状態を監査していたが、それでは適時把握が難しい。新社長の肝いりでプロジェクトの進捗会議に監査人が出席することを検討した。その利点は?

(ヒント)一般論より考えるべき、ということが解いていてわからないといけない

解答

(i)

プロジェクトの状態を適時に把握し、早期に改善を提案することができる

上記とは逆に問題点もあると考えた。想定される問題点は?

(ヒント)一般論より考えるべき、ということが解いていてわからないといけない

(ii)

監査人が出席することで、進捗に遅延があっても根本原因を隠すことがある。

 

・監査部門の人員の教育計画について、新社長としてはR社の経営戦略と整合させて具体的に作成を指示している。監査部長が作成すべきR社の教育計画の具体的な内容とは?

(ヒント)

・新社長はAIなどの技術を積極的に取り入れて、顧客向けサービス拡大を図ることを経営戦略としている。

・一方、現行のR社の監査部の人員教育は監査やPM、法令の教育。

(解答)

R社の経営戦略上重要なAIなどの技術について評価できる人材の育成

 

・R社では監査のためのツールとして「電子監査調書ソフト」を使用している。このソフトは過去の監査調書やドキュメントを保存し、参照や検索の機能を提供する。現状は活用が進んでおらず新社長は計画を具体化して活用の進捗を命じた。活用することによりどんな効果が期待できるか?

(ヒント)

・「電子監査調書ソフト」は監査の実施状況やノウハウを蓄積することを提供する。

・R社としては監査業務をこのようなソフトを用いて作業の効率向上を行いたい

(解答)

監査の実施状況やノウハウを共有でき、監査業務を効率化できる

 

・とあるシステムのR社の現行の監査手続きとして、不正アクセスの有無を確認するためにアクセスログをサンプリング調査して確認している。これをデータ分析ソフトを活用して制度の高い監査を実施したい。データ分析ソフトを活用した具体的な監査手続きを述べよ。

(ヒント)

・サンプルとしてランダムに抽出してデータ分析することの逆は「網羅的に」分析する。

・それを可能にするツールがデータ分析ソフト

(解答)

アクセスログの全件を集計・分析して不正な端末利用がないかを確認する

 

 

問3

(覚えておきたい出題パターン)

・A社のシステム開発の課題として社長は’’投資をして開発したにもかかわらず、十分に使用されていないシステム(特に「自己評価対象案件」に区分されるシステム)がある’’と述べた。

A社の内部監査部はIT投資効果を評価する際のプロセスには問題点があり、リスクがあると考えた。

その問題点を、原因とともに述べよ。

(ヒント)

・開発年度計画案は「経営会議」で審議される。

・「自己評価対象案件」に区分されるシステムの投資効果検証結果の最終報告先は現在オーナ部長となっている。

・問題文の最終盤に最終報告先がが変更されている記述がある。(オーナ部長から情報システム委員会へ)。ヒントが後半にあるので少し難しい問題。

(解答)

自己評価対象案件の投資効果検証結果がオーナ部門にとどまっているので、経営会議で伝わらない。

 

・当初の計画通りにアクティブユーザに活用されるシステムを開発されるために、システム開発案件の絞り込みの際に、情報システム事務局がオーナ部に確認すべきことがある。それは何か?

(ヒント)

・廃れて使われなくなったシステムについて、オーナ部門は計画段階で「外部コンサルタントのアドバイスを参考にしてシステム計画を企画していた」(つまり、自分たちの積極的な意思が無かった。言われたまま開発決定に突き進んでいた)

・文中にヒントは少ない。所与から自分で答えを考えて導き出す問題。

(解答)

開発システムが利用者のニーズに合致しているかどうか確かめること

 

・廃れてしまったとあるシステムの稼働後の活用状況の確認とこれまでの活用実績についてのヒアリングの結果から反面教師として、今後稼働後の活用状況の確認を適切に実施するための対策として学んだことは?(監査部として確認すること)。

2つ述べよ。

(ヒント)

・本文の指定個所のそのまま答えが書いてある。正直あまりにズバリ書いてあるのでそのまま解答として転記することに躊躇するレベル。そういう意味は悩む問題かも。

(解答)

・活用状況のモニタリングの仕組みを構築する

・活用状況の検証予定時期を定めておく

 

・稼働したあるシステムについて、利用の継続か廃止かの判断を確実かつ速やかに実施するための対策は?(監査部が確認すること)

(ヒント)

・継続か廃止か、の判断をするための新たなルールが必要という記載が本文にある。

・「新たなルール」を「基準」と自分の言葉に置き換えられるかどうか試されている。

(解答)

利用継続か廃止かを判断するための基準値を稼働前に定めておく

 

・A社の情報システム部は''システム開発標準化''の改訂を検討している。その改訂が情報システム部だけでなく、オーナ部にとっても適切な内容であること確認するための監査手続きを述べよ。

(ヒント)

・文脈から推測する問題。情報システム部が独断で決めたことにしないようにするには情シスが行った改訂原案にオーナ部がどう関われば良いのかを考える。

(解答)

経営企画部(オーナ部)が改訂原案に賛同していることをヒアリングで確認する。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(平成31年過去問より)

 

午後I

問1

(覚えておきたい出題パターン)

・P社はシステムのロボット化(RPA)の開発により業務効率向上の効果を目指す。開発を効率よく行うために複数の部署の類似作業を共通化した上で開発する。しかし、この共通化には、業務に関わるリスクがある。監査部が懸念したそのリスクをひとつ挙げて述べよ。

(ヒント)

・開発部は共通化しようとする類似作業の差異分析、共通化した場合の影響評価を検討している。

・ヒントから一般論で答えを導き出す。

(解答)

類似作業の差異を考慮しないで共通化することにより、業務に支障が生じる。

 

・RPA導入の恩恵で業務処理の時間が短くなる一方で、RPAの関連システムの稼働に関わるリスクがあると考えられる。監査部が懸念した関連システムの稼働に関わるリスクを述べよ。

(ヒント)

・関連システムの中には構築から長期間経過して機能不足や業務量増加によるレスポンス遅延が出ているものがある。ここからあとはもう一般論で記述する。

・RPA(ロボット処理)は関連システムとインターフェースで連携して実行される。

(解答)

処理速度が速くなるので関連システムの負荷が増大して、レスポンスが低下する。

 

・RPA(ロボット)が使用する関連システムのIDとパスワードは、関連システムを管理している部署の許可を得て使用し、その部署はロボットが使用するIDとパスワードをID一覧表に記載して管理している。監査部はその関連システムのIDとパスワードの管理方法について、説明資料を閲覧して問題ないことを確認した。監査部が確認した内容を述べよ。

(ヒント)

・問われているのはIDとパスワードの「管理方法」。ここでいう「管理方法」とは何か、について発想できないと正解できない。正直設問が何を訊きたいのかYuubariは検討がつきませんでした。

(解答)

ロボットの仕様するIDとパスワードをアクセス制限された環境で保管していること

 

・RPAの関連システムは改修されることがある。そのときRPAシステムに必要な対応が行われているかどうかを開発部の変更管理プロセスの手順書を監査部は閲覧して確認した。監査部が確認した内容を述べよ。

(ヒント)

・RPTと関連システムの関係性を考えればおのずと解答の方向性は見えてくる。しかし模範解答のように適切に文章をまとめることが難しい。

(解答)

関連システム改修時に、RPAシステムの管理部署に連絡し影響調査をする規定があること。

 

・RPAの利用拡大による費用対効果について開発部にヒアリングした。RPAシステムの管理画面を活用した取り組みを開発部は計画しているが、その取り組みの内容を答えよ。

(ヒント)

・本文によれば、管理画面からは実行環境のロボットの稼働状況を閲覧でき、ロボットの稼働回数・稼働時間などのデータをダウンロードして分析することが可能。

・本文中の該当箇所を見つければ簡単に解答できる。

(解答)

ロボットの稼働回数・稼働時間などのデータを分析し、費用対効果を検証する。

 

問2

(覚えておきたい出題パターン)

・A社のシステム開発において、''重要度''の項目が関連部門から出された要望をまとめた要望事項一覧に漏れなく設定されているかどうかを確認するという監査手続きだけでは不十分、と監査人S氏が考えた理由を答えよ。
(ヒント)
・これは難問。本文の''重要度''という言葉は「プロジェクトの優先順位」という概念とは別のものだという発想に至らなくては正解できない。

(解答)
重要度の設定の確認だけではプロジェクトとしての優先順位が検討されているかどうか確認できないから


・要件定義書の作成時に利用部門の代表者が参画しているかという監査要点について、監査部は監査手続きとしてプロジェクトの体制図を閲覧して確認した。

しかしそれだけでは不十分で要件定義作成時の議事録の閲覧、利用部門の代表者へのヒアリングを行う必要があると判断した。その理由は?
(ヒント)
「利用部門が参加した」と記載された書類の閲覧だけでは不十分だから利用部門にヒアリングを行った。そう考えると答えはおのずと出る。

(解答)
利用部門の代表者の要件定義書の作成への十分な関与を確認する必要があるから


システム開発の一部の工程を委託先に委託した。委託先の開発の進捗状況を適時に、正確に把握したい。システム企画書を閲覧して確認するという監査手続きでは不十分。委託先から提出される進捗報告資料や成果物の一部とテスト結果をもとにA社が想定している進捗状況と比較したい。その理由は?

(ヒント)
業者から報告された進捗状況を現物をもって実際の進捗として確認する意味は?

(解答)
委託先が進捗状況を正確に報告しているかどうかをA社として確認する必要があるから。


・開発に着手した後の体制と役割は明確になっているが、「成果物を検収した後の体制」については確認できなかった。検収完了後から本番リリース準備開始までのA社内の体制について具体的に確認した内容は?

(ヒント)
本文から「成果物を検収した後」は「ユーザ受入テスト」があるという個所を見つけて抜き出す

(解答)
ユーザ受入テストの役割分担、体制について明確に定められていること

 

・開発着手後の要件の追加・変更に関して、開発責任元であるシステム部は開発委託先と手順の順守を求めると確約した。委託先だけではなく利用部門にもこの手順を周知していく予定である。

監査部は要件の追加・変更の要求がある程度増えても期間内に対応できるような対策をシステム部に求めていく。

監査がシステム部に求める具体的な内容は?

(ヒント)

条件を確認するのはすぐめぼしが付く。それを委託先と利用部門の両方に対応するように回答したい。

(解答)
開発着手後の追加・変更の要求に対応する際の採用条件を明確にし、利用部門と合意すること。

問3

(覚えておきたい出題パターン)

・B社の基幹システム(現行システム)をメインフレームからWebベースのシステムに再構築する案件がある。
現行システムの再構築を行うにあたり、再構築範囲を決定する分析工程において、情シスが計画の詳細に関して確認すべき具体的な内容を述べよ。
(ヒント)
・利用部門のヒアリングでそのまま「現在では使用されていない機能・画面・帳票も存在する」と記載があるのでそのまま書き写すだけ。
(解答)
未使用の機能・画面・帳票について、再構築対象範囲からの除外を検討していること

 

・再構築は可能な限りプログラム変換ツールを使用するが変換作業で問題が発生し、本番稼働が遅れるというリスクが存在する。そのため本調査として追加して確認したいことを具体的に述べよ。
(ヒント)
・「変換」のトライアルとして「実際に幾つかのプログラムを変換し、変換の可否及び精度を確認する」という本文の記述が目に付く。
・「一部のテストで問題あるならば網羅的に全部チェックしては?」と回答してしまったが、それは極端すぎた考えでした。

(解答)
プログラム変換ツールのトライアル対象範囲が狭過ぎたり、偏ったりしていないこと。

 

・変換ツールで変換できない現行システムのプログラムに関しては、手作業で変換作成するが、手作業で作成したプログラムを含む現新比較テストが計画通り進まず、本番稼働が遅れるというリスクが存在する。そう考えた理由は?

(ヒント)
・本文で、追加機能を現システムにもたせるときに設計書(仕様書)に変更内容を記載していないという記載がある。
・回答の方向性はすぐわかるが、問いは「計画通り進まない理由」を訊いている。つまり仕様書とプログラムの不一致を指摘しただけでは回答として不十分と思われる。

(解答)
設計書が最新ではないので、現新比較テストで不一致発生時に、原因分析に時間を要するから。

 

・新システムのユーザ受入テストの際に、システムの操作性で問題が表面化するリスク(利用部門が使いこなせない)が存在する。それを防ぐ適切なリスク軽減策は何か具体的に述べよ。
(ヒント)
・新しいシステムの操作にユーザが当惑するならばどうすればよい?ということを問う問題。
・過去のIPAテストの経験から「新旧を並行稼働すればいい」と回答してしまったが、その発想は飛躍しすぎでした。
・気づきにくいが本文に「利用部門はテスト工程から参画する」というヒントがあり、そこから正解を発想しないといけなかった。

(解答)
設計工程にも利用部門が参画、プロトタイプなどで早期に操作性を確認してもらう

 

・再構築が完了して本稼働したあと、第2段階としてシステム機能の再配置、業務処理の最適化など業務機能を見直す計画がある。
「現行システムの状況を考慮すると」第2段階の業務機能の見直しが円滑に進まないリスクが存在する。
これに向けて開発担当の情シスが対応計画を立てたが、監査人がこの対応計画に関して確認すべき事項を具体的に述べよ。
(ヒント)
・なかなか答えが思い浮かばなかったが、その理由は「現行システムの状況を考慮すると」が何を指しているかわからなかったこと。
・普通に考えると第2段階の目標を達成するために必要なことを書くべきということは方向性としてはつかめた。
・正直、模範解答をみてもピンとこないので自分にとっては難問だった。

(解答)
要件定義書や設計書を整理し、最新の要件や定義を反映する計画が存在するか

システム監査技術者試験 その1 受験することにしました

いろいろ思うところがありまして、10月(秋季)の情報処理試験の区分のひとつであるシステム監査技術者試験(AU)を受験することを決めました。

 

現在の秋季の情報処理試験でYuubariが受験する可能性のある試験(自分の仕事に関係がありそうな試験)はシステム監査技術者試験(AU)なのですが、もともと今現在は仕事で必要とされている技能ではないので受験する気持ちは薄かったのですが、以下の理由で受験を決意しました。

 

(1)午前1(AM1)免除の恩恵を大事にしたい

これがシステム監査技術者試験(AU)受験を決めた最も大きな理由かも。

これまで午前1免除期間中に合格を繰り返してきて免除期間を延長できていたのですが、Covid-19による試験延期とNW不合格により免除期間を失ってしまっていました。

先月のネットワークスペシャリスト試験(NW)で、Yuubariは高度試験の午前1をはじめて受験したのですが、これが想像以上に対策が面倒で厄介でした。

 

午前1の対策といっても応用情報技術者試験(AP)の午前過去問をとにかくやりこむだけなのですが、何しろ範囲がとても広くて時間も結構かかりましたので、できれば二度と高度試験の午前1は受験したくないです。

失ってはじめてわかる午前1免除のありがたみ(^^;

 

自己採点では前回のNWの受験で午前1試験の合格点に達しているのでマークシートミスをしていない限り今後2年間の午前1免除の資格を得ることができました。

今後のことを考えると、いずれはシステム監査技術者試験は合格しておきたいと思っていますので、ここはひとつ午前1の免除が残っているうちにシステム監査技術者試験に挑戦しておこうと思いました。

 

(2)何が役に立つか人生わからない

正直今の職場でYuubariがシステム監査の役割を担う可能性はほぼありません。

Uchino会社は腐っても世界に拠点を持つGlobalな会社で、企業規模もかなりのものなので(半面簡単に社員を解雇する冷徹な一面がありますが)、IT関連の内部監査の役割を持つ部署もありますが日本にはその部署はありません。

日本で監査があるときは、たまに海外から高いポジションのえらい監査の方が来て1週間くらい監査して帰っていくという感じです。

 

ですので、Yuubariがいまの職場でその役割を担う可能性はほぼゼロです。

しかもUchino会社のIT関連の内部監査はシステムの監査より、物理的なインフラの管理(サーバルームの管理やIT機器のアセット整備、ネットワーク周りなどのインフラ面)に対する監査が主です。

そうなるとますますYuubariがシステム監査技術者試験に挑戦する理由が薄くなります。

 

ですが人生何が役に立つかわかりません。

ある日突然システム監査の技能が要求されたり、転職する機会があって(転職せざるを得なくなり)職場が変わって求められる可能性もありますので、チャンスがあるならば取っておこうと考えました。

 

今の職場に転職したときも自分が取得した中でも別に重要だと思っていなかった資格を採用側に予想外に評価されましたので、なにごとも持っていないより持っていた方が何倍も良い、とそのときに実感しました。

 

(3)試験形式に慣れている

これまでSG, AP, SC, PM, SMと合格してきて、ある程度IPA情報処理技術者試験の試験形式や対策方法を曲がりなりにもわかってきました。

 

もちろんシステム監査技術者試験(AU)はこれまでYuubariが合格してきた試験の中でもさらにワンランク上の試験ということはわかっていますが、試験対策としてやるべきことはわかっている。

高度情報処理の試験は「AM1は免除ありでAM2も直前に1,2日過去問を詰め込むだけで対応可能、実際の勝負は午後1と午後2(論述)のみ」と考えていまして、Yuubariにとっては、対策方法をゼロから調べて対応していくわけではないので比較的受験しやすいです。

 

合格できるかどうかは別として試験に対応する方法がわかっているのはとても心理的負担が減ります。ここは完全に経験に助けられています。

はっきりいって今から全くの専門外の試験に暗中模索しながら挑戦する方が難しいです。

 

以上の理由から10月のシステム監査技術者試験に挑戦することに決めました。

現在5月初旬なので、まだたっぷり5か月残っていますから計画的に準備を進めていこうと思います。