Yuubariの読んでよかった本(その2)『真実の10メートル手前』
こんにちわ、Yuubariです。
Yuubariはフィクションものの小説ですと米澤穂信さん、宮部みゆきさん、乃南アサさん、冲方丁さん、中島京子さん、上橋菜穂子さん、三浦しをんさん、重松清さん、和田竜さんといった作家さんの作品が好きでよく読んでいます。
好き嫌いなくなんでも読みますがジャンルでいえばわりとミステリ小説が好きです。
今回紹介するのは最近読んだ中でもひときわ印象に残ったミステリ小説のこちらの一冊。
『真実の10メートル手前』(米澤穂信 著)
Yuubariが最も敬愛しているミステリ作家・米澤穂信さんが書かれた短編集です。
米澤さんの小説と言えば、Yuubariは京都アニメーションの『氷菓』をみて米澤さんの古典部シリーズを知り、それからミステリ小説好きの学生時代の先輩に勧められて季節限定シリーズ(『春季限定フルーツタルト事件』など)を読むようになりました。
それからは1作品ずつ米澤作品を読み進めていきましたが、読んだ作品の中でYuubariが個人的にハズレが1作品も無かった作家さんは米澤穂信さんくらいです。
この『真実の10メートル手前』はYuubariが最近読んだ米澤作品ですが、とてもオーソドックスなストーリー展開のミステリ短編集ではあるものの米澤節がとても効いた抒情性のある短編集に仕上がっています。
女性フリージャーナリストの主人公(太刀洗万智)がいろいろな事件の詳しく調べるうちに突き当たる真実を暴く様子が描かれています。
頭の切れる優秀なジャーナリストですが、人間関係でやや不器用なところがあり調査に影響することもあります口下手だから仲間のジャーナリストには推測していることを伝えず(読者にも伝えず)ぶっきらぼうだけど着実に調査を進めて結果を出す。
このあたりの万智さんの人間くさい描写も光りますね。
主人公の太刀洗万智は他の米澤作品(『さよなら妖精』、『王とサーカス』)でも登場しますが、万智の人柄をわかっているとより楽しめるかもしれません。
どの短編作品も2回読み返してしまうほど気に入りましたが、広報の女性失踪事件と高校生の心中事件が印象に残りました。
米澤作品を読んでいていつも思うのですが、本当に表現が秀逸です。表現も奥行きがあり格調高さを感じさせますが、それでいて情景がイメージしやすく読みやすいのが特徴かと思います。
内容も深みのあるミステリで人間の心の内面をとても上手に表現していて読んだ後も余韻が深く、内容を反芻したくなるような作品が多いです。
印象に残らなかった作品は一冊もないくらいYuubariは米澤作品を愛読していますが、好きな順で米澤作品を並べると以下のような感じになりますね。
読んだ時期も印象に関係してくるので読み返したらまた順位が変わるかもしれませんが。
(Yuubariが個人的に選んだ好きな米澤作品の順)
季節限定シリーズ(『春期限定いちごタルト事件』、『夏期限定トロピカルパフェ事件』、『秋期限定栗きんとん事件』) ※「冬期限定」の刊行をずっと待ってます!
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『真実の10メートル手前』
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『満願』
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『追想五断章』
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『王とサーカス』
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『犬はどこだ』
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『さよなら妖精』
- 作者: 米澤穂信,上杉久代,清水厚
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2001/10/28
- メディア: 文庫
- 購入: 17人 クリック: 956回
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『儚い羊たちの祝宴』
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『折れた竜骨』
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『ボトルネット』
「読んだことはないけどちょっと気になる」という方にはいずれも文庫になっている短編集で読みやすい『真実の10メートル手前』もしくは『満願』をまずはお勧めします!